Q&A


  ■カッティングフォームを変えようか迷っているのですが・・
質問:いまカッティングフォームを変えようか迷っています。たしか、カッティング
に特化した加茂さんのレッスンは受けてないと思うのですが、加茂さん推奨の
フォームは「手首をまっすぐにして、チョップのように手首を真横に振る」
だったと思います。理由が、「音の粒をそろえるためには全弦に対して平等に90度
にピックを当てる必要があり、それをやりやすくするため」だったと思います。
で、僕がそのフォームをマスターできているのかにもよるのですが、ピッキング
スピードがどうしても足りないのです。ピッキングスピードが速くないと
コードカッティングはカッコ悪くなる、とよく言われますが(もちろん状況に
よりますが、大は小を兼ねますし)、僕の同級生と比べても明らかに歯切れが
悪いのです。ピッキングスピードを得ようと腕の振りを大きくしようとすると、
今度は腕が疲れてきてとても長時間安定したコードカッティングができるとは
思えないです。手っ取り早くピッキングスピードを得るには、手首をチョップ
のように真横に振るのではなく、「手首を曲げて横の回転を加えてやる」と
いう手があると思います(ボディから手首を遠ざけるフォームですね)。
手首の間接の構造上、横の回転のほうがスムーズに行きますし、プロギタリスト
の方でもこのフォームでコードカッティングをされている方はたくさん
いらっしゃると思います。うまいことやれば全弦に対してほぼ90度にピックを
当てることもできるのかな、とも思い始めています。しかし、もちろんソロを
弾く時とは異なったフォームになってしまうことになるので、結構な違和感
があります。やはり手首の脱力が足りないだけなのでしょうか。
よろしくお願い致します。(from らーめんさん)

回答:らーめんさん、ども!
これについてはですね、結論から言ってしまうと「やはり力が入っている事
が全ての要因」です。脱力とフォームを優先順位で考えると、やはり
”脱力>フォーム”という不等号が成り立つと僕は考えます。
カッティングや速弾き等、いわゆる「疲れる系(笑)」の奏法というのは
脱力が全てです。それには3つの理由があり、「音色的問題」、
「グルーブ的問題」、「持続力の問題」が挙げられます。

まず、音色の問題です。力の入ったカッティングほど厳しいものはありません。
先日、道を歩いていました。そしたら路上で演奏をされている方がいて、
異様な光景を目にしたのです。耳をふさいで通り過ぎている人が結構いたのです。
それは、曲が嫌いだからではありません。じゃあなぜか?それはですね、
分厚いピックを思いっきり握り締めて弦に叩きつけるように演奏することに
よって、そのピッキングがあまりにも力が入っていたために弦とピックが
こすれて「洋食を食べに行ったときに、ナイフでお皿をキーキーこすった」
あの音が大音量で路上に響き渡っていたのですよ。正直、僕も耳が痛く若干
鳥肌がたってしまい、足早にその場を通り過ぎました。3人で歩いてましたが
3人全員鳥肌が立っていました。好みの問題もあるとは思うんですが、
せっかくの曲がそれでは勿体ないと思うんですよ。

また違うケースで、力が入った状態でピッキングするとグルーブをコントロール
しながら演奏するのはやっぱり難しいのかな、と僕は思います。
デビット・T・ウォーカーのような柔らかいグルーブであったり、
ポール・ジャクソン・JRのようなきっちりしたグルーブ、様々なグルーブを
コントロールするにはやっぱり力が抜けていないと厳しいかもしれません。
力が入っている人のカッティングはシャッフルっぽくなってしまうケースが
良くあります。ご本人はシャッフルではなくジャストに弾きたいのに、
実際の出音がシャッフルぎみになってしまうのは良いことではありませんよね?

最後に、らーめんさんのおっしゃる「持続力の問題」です。テンポ140で
16分音符でカッティングを続けるとなると、やっぱり力が抜けている状態を
作らないとどうにもならないかもしれません。筋力だけではどうにもならない
問題だと僕は思いますね。やはり僕の好みとしてボブ・サップよりも
アーネスト・ホーストなんですよ。(笑)

最後に手首を浮かさないピッキングのメリットについては、らーめんさんも
おっしゃってるように、全弦に均等にピックが当たるということと、
1小節の中で単音のミュートフレーズと全弦のカッティングが組み合わさって
一つのフレーズになるようなバッキングパターンが弾きやすいということ、
(ファンクで良くありますよね)、またコードカッティングをしながら
たまにギターソロのフィルインを入れたりするようなバッキング(ロック系の
ライブ等でボーカルと掛け合いをしたりする際に良くあるパターンですね)
等が弾きやすいんですよね。カッティングの帝王ポール・ジャクソン・JRの
2音をリズミックにカッティングするパターンなんかも弾きやすいですね。
いずれにしても力が抜けていることが全てだと思います!手に汗を
かかないようにですゾ!頑張ってください!(^^)/

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