Q&A


  ■自分の耳をどうやって鍛えれば良いでしょうか?
質問:ドレミファソラシド(以下イタリア)についてです。
どうも私が幼稚園のころ「先生が弾いているピアノをミミコピ
して弾いた」と両親が話しているのです。そして部屋にあるキ
ーボードはそれを見て買い与えてくれたものらしいのです。そ
のときからイタリア読みなのでどうしてもイタリア読みをT、
U(以下数字)といった扱いにできずにいます。
 関連して絶対音感の話にもなるのですが、記憶に強い音に関
しては音階でわかる時があるのです。たとえばギターにのめり
こんでいる現在は、Eの音であれば即座に意識がそこに行くの
です。蚊が飛んでる音がEだとぱっとギターの6弦の音が出て
きて、「そうか、今のはEだ!」という具合です。でも、目隠
しをして音階を問われたら間違いなく区別がつきません。さら
にライブハウスに行けばトニックを探し出して数字で追いかけ
る事ができます。ここまで来ると間違いなく相対音感ですよね
。今までは特に意識はしていなかったのですがこうなってくる
とどうやって耳を鍛えれば良いかが困ってしまうところです。
・イタリア読みを数字と同じように扱う事。
・たまに絶対音感なのかと疑ってしまう自分の耳の取り扱い。
この2点が現在の悩みどころです。(from あんちゃんさん)

回答:こんにちは、あんちゃんさん!
絶対音感なのかどうか、という判定に関してはやはり聴音教室
などで判定してもらうしかないと思いますよ。
絶対音感はクラシック音楽をやっていくのであれば重要な
能力だと思います。実質絶対音感がないと音大は入学できない
ですからね。絶対音感→スパルタ的楽器の練習→音楽大学
→大学院、もしくは留学→プロ、っていう流れがクラシックには
あることは否めないでしょう。否定的発言ではないですよ、
クラシック音楽の歴史と伝統の重要性を認識した発言です。

しかし、クラシック以外の音楽において絶対音感の必要性というのは
実はそんなに高くありません。絶対音感があれば有利な面も
ありますが苦労する面もあるでしょう。例えばジャズに関しては
絶対音感がある為に理解するのが遅くなってしまう、という例も
見うけられます。例えば耳コピーの仕事→バンドスコアを作ったり
着信メロディーを作ったりする仕事についているミュージシャンも
絶対音感を持っていないケースも多く見られます。
作曲家やアレンジャー、プレイヤーに関しても同様です。

重要なことは、「目隠しをして音階を問われる音楽制作の場」は
無い、ということです。あんちゃんさんは作曲家やアレンジャーを
目指していると思いますが、一番大事な事は「メロディーや
フレーズが思いつくのかどうなのか」ということであって、
問われた音階が答えられるのかどうなのかということではないです。
耳コピーに関しても相対音感だけで、最初の音だけ楽器や音叉で
確認すればあとは耳だけで聞きとって全ての楽譜を書き上げる
プロ・ミュージシャンが存在するということが重要なんですよ。
これは驚異的な能力ですよね。そういう事を意識して音楽と接する
ようにすれば良いのではないでしょうか。
あくまでも本題は「どうやって耳を鍛えれば良いかが困ってしまう」
っていう所なんですよね?お勧めの方法は楽器を使って音を
確認しながら自分自身で影響を受けた楽曲のバンドスコアを手書きで
作成することです。コンピューターで書かなくて良いです。
むしろ手書きが良いです。試してみてください。

次に、ド→T、レ→Uと認識する事についてですが、僕は
ドと把握することでもTでもどちらでも良いと思います。
なぜなら、あくまでも本業は「制作」と「演奏」だからです。
「学者」を目指している訳ではないし、そこに「勝ち負け」も
存在しないんです。ドでもTでもどういう解釈だとしてもそこで
奏でられる音楽が「心地良い音楽かどうか」だけの問題だと
僕は思うんですよ。仮に学者になるのであるとしたら「俺はイタリア
読みの流派だから」と説明してあげれば良いのだと思いますよ。

気楽に考えるのが一番だと思いますので参考にしてみてください!

[前のページ]  [メニュー]  [次のページ]