Q&A
質問:ずっと速く弾き続けてるソロの場合なんですけど、
ハーモニックマイナーを使ったフレーズはクッションが入るまで
全てハーモニックマイナーで弾いてるのでしょうか?そのフレーズの間
ではナチュラルマイナーならナチュラルオンリー、ハーモニックマイナー
ならハーモニックオンリーで使うのが一般的なんでしょうか?(from 巨匠さん)
回答:巨匠さん、どもです!
ハーモニックマイナーを使った速弾きですね。まぁなんと
言っても王者イングヴェイ・マルムスティーンの奏法無しには
語る事は出来ないので、イングヴェイのスタイルということで
僕なりに分析した情報ということで解説しますね。
もし、間違っているようだったら逆に教えてくださいね!
Key=Amの場合、イングヴェイは以下の音列を使って
アドリブをすることが極めて多いと僕は分析しています。
A,B,C,D,E,F,G,G# の音列が良く彼のプレイから聞くことの
出来るスケールです。
これは、
E,F,G,A,B,C,D と解釈することも出来るし(解釈1)、
E,F,G#,A,B,C,D と解釈することも出来るし(解釈2)、
A,B,C,D,E,F,G と解釈することも出来るし(解釈3)、
A,B,C,D,E,F,G# と解釈することも出来ます(解釈4)。
勿論他の解釈の仕方もあるでしょう。
解釈1はEフリジアンスケールと言います。意味はスケール
ブックとかで調べてくださいね。良く雑誌のインタビュー等で
イングヴェイはフリジアンを使っている、と言っているので
この言葉を聞いたことがある人もいると思います。
解釈2は、Eフリジアン・ドミナント・スケールと言います。
又の名をハーモニック・マイナー・パーフェクト5thビロウ
・スケールと言います(名前が長い!!)
「イングヴェイが言っているフリジアン」とはこの解釈2の
ことです(と僕は解釈しています)。
解釈3は、Aナチュラル・マイナー・スケールと言います。
解釈4は、Aハーモニック・マイナー・スケールと言います。
で、個人的な意見ですが、解釈2〜4は結構使われています。
解釈2→6弦の開放を多用したヘヴィーなリフになる時
解釈3→幻想的なマイナー曲の泣きのメロディーを弾く時
解釈4→クラシック風に弾く時や、キメの速弾きソロを弾く時
と同じKey=Amでも使い分けされています。しかし、これらは
同じスケールとほぼ考えて差し支えないのですが、
「強調する音」が変わります。解釈2ではEの音を強調した
方が良いでしょうし、解釈3&4ではAの音を強調した方が
”らしい響き”が得られます。
ここからが本題なのですが、実際問題の所、最初に言ったように
良く聞こえる音列=つまり、”スケール”は、
A,B,C,D,E,F,G,G# なんですよ。なんじゃそりゃ!!GとG#が
同時に鳴るスケールなんてさっきの解釈1〜4のどこにも
無いじゃないか!と思うかもしれませんが、
これに関しては、あまりにも彼のソロのスピードが速すぎる為に
例えば、解釈2のEフリジアン・ドミナント・スケールに
Gが混じってしまったとしても、サウンド的に全く問題を感じ
無いくらいソロが”超速い”という事なんですよ。
普通に考えれば、EフリジアンドミナントはKey=AmのコードE7の
時に使われますから、E,G#,B,Dが強調されないとサウンド的には
おかしいわけです。しかし、Gが仮にソロ中に鳴っていたとしても
”全く問題無い位ソロ自体が説得力を持っている&Gの音は強調
されている訳では無い”のでOK!!だと僕は解釈しています。
そういう意味においては、巨匠さんの質問ですが、
もし、解釈4の場合にA,B,C,D,E,F,G,G#が鳴っていたと
したら、それは勿論理論的に言えば、ナチュラルマイナーと
ハーモニックマイナーを同時に弾いていると言っても間違いでは
無いのかもしれませんが、僕の考え方はこうです。
Key=Amの曲では、Aハーモニックマイナーに経過音のGを加えた
「イングヴェイ・スケール」を弾いているんだ!と僕は考えます。
但し、その場合Gはあくまでも経過音としての扱いで速弾きの
中の音の一つ、というだけであって決してロングトーンでは
使わない、というのも頭にいれておいてください。
彼は多くのギタリストがペンタトニックスケールでブルースを
弾く感覚でハーモニックマイナーの速弾きをしますよね。
多くのギタリストはイングヴェイのようなソロを弾くには
「前もってフレーズを作っておく」と思うのですが、イングヴェイは
全くのアドリブでああいうフレーズを弾いてしまうのだから
凄いとしか言いようが無いですね。まさしく神の境地ですよ。
最後に・・・スケールは絶対に1個しか使わないという訳では
無いです。例えばマイルス・デイビスはアドリブ中に
スケールをいくつも変えてアドリブをしていきます。
自分の作品で恐縮ですが、ソロアルバム「GOOD WAVE」の中に
入っている「Libertango」という曲では、Dm一発のコード進行で
スケールをいくつか使い分けながらのアドリブソロにチャレンジ
してみました。これはマイルスから影響を受けたテクニックです。
また、、、イングヴェイのようなクラシカルな曲なんだけど
ソロがイングヴェイっぽくない、という意味も込めてます!!
「マイルスの音楽理論+アランホールズワース+イングヴェイ」
を意識して恐れ多くも弾いてみました(^^;
もしよろしければ是非聞いてみてください!!m(_ _)m
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