Q&A


  ■ジャジーなブルースのフレーズについて教えてください。
質問:KeyがB♭のシャッフルブルースで、B♭が鳴っているところで、
(全て8分音符で)5弦8F、4弦5・6・8F、3弦5・8・5・6・7F、
2弦6・8F、1弦6・7・6Fというフレーズが出てきました。
ジャジーな響きになるのですが、これは何スケールを使っているのでしょうか。
それとも音感のみで、インターバルで認識した方がいいのでしょうか、
お願い致します。
また、そのKeyがB♭のシャッフルブルースの終盤に
B♭7|B♭7  |B♭7    |B♭7   |
E♭7|Edim7|B♭7・Cm7|Dm7・G7|
Cm7|F7   |・・・・
というジャズ風コード進行が出てきて、8小節目のDm7・G7のところで、
(全て8分音符で)3弦10・8・7F、4弦10・9F、2弦9・6・7F
ときて、次の小節のCm7のところでそのままクロマチックで2弦8Fで
ビブラートという一つのフレーズが出てきます。これはどういうアプローチの
考え方なのでしょうか。それとも、単なる音感によるインターバルで
弾かれているだけで、特にスケールやバックのコードなどは意識されたりは
していないのでしょうか。よろしくお願い致します。


回答:らーめんさん、ドモです〜。真面目に寒くなってきましたね。
衣替えをしつつ、鍋とか食べたいですね〜〜。(^^)

さて、質問の回答ですが、サウンドを実際に聞いて見ないと、
なんとも言えない部分もありますが、ジャズ・ブルース形式の
音楽だと思われます。(ブルースの場合はとにかく実際に鳴っている
音が一番の肝なので実際に音を聞かせてもらわないと断言はできないの
ですが、下記はあくまで僕の中での理論的解釈としてお聞きください。)

ジャズ・ブルースについて語るその前に・・・
ブルースの演奏は基本的にはスケール的な考え方で演奏しません。
スケールではなく「フレーズ」で演奏します。
いっちばんの基本形は「ブルーノート・フレーズ」というものですが、
これは「ブルーノート・ペンタトニック・スケール」から派生した
フレーズを弾いていくのですが、ブルーノートのフレーズは
ご自分でフレーズを作るというよりは、最初は”そのまんま使った”
方が良いと思います。英会話だと”単語”にあたる部分なんですよ。

”こんにちは”という単語がありますが、これは”んこちには”と
使っても全く何の意味も持ちません。あくまでも”こんにちは”と
そのまんま使って意味を持つんですよね。ブルーノートフレーズも
まずはそういう”こんにちは””おはよう””おやすみ”等の
典型的なフレーズがありますので、どんどん記憶していって
楽曲の中で実際に使って見る事です。すると、コピーした曲の
バックのコードがB♭だったフレーズが、他のコード進行でも
意外に合う場合がある事に気付くはずです。逆に、フレーズの流れ
によってはバックのコードがB♭だったとしても合わない場合も
あるかもしれませんから。ブルーノートのスケールは、スケール
練習とかしても意味ないんですよ。フレーズを覚えるというのが基本です。

この考え方にプラスして、メジャー・ペンタトニック・スケール等の
シンプルなスケールでの”コール・アンド・レスポンス”を多用した
メロディーフェイクがブルースのアドリブの基本です。らーめんさん
の好きなオールマン・ブラザーズ・バンドにはコール・アンド・レスポンス
がかなり登場しますよね。

で、これをジャズ・ブルースの考え方に拡張しますと、
”ブルーノート・フレーズ”に加えて「U−Xフレーズ」というのが
ジャズ・ブルースには出てきます。ダイアトニック・コードの
Um7からX7にコードチェンジするときに、そのコードチェンジを
単音のフレーズで表現するというものなのですが、そのフレーズの
多くにはX7のコードトーンの他に、「テンション音を加えて弾く」
のがセオリーです。オルタード・テンションと呼ばれる♭9、♯9、♭13
等のテンション音をフレーズの中にうまく加えて弾いていくのです。
ですから、勿論、Um7の時にドリアン・スケールで弾いて、X7の
時にオルタード・ドミナント・スケールで弾いているという解析をしても良い
んですが、ブルーノート同様フレーズごとそのまま暗記しちゃっても良いと思います。
で、そのU−Xフレーズの中には「クロマティック・アプローチ」という
のが登場してきて、半音を上手く使ってフレーズをなめらかに聞かせると
いうものです。目的の音まで半音で向かっていくというのが基本ですが
いくつかの手法があります。目的の音を半音で挟むようにして弾く方法
等もありますからね。ジャズ・ブルースではこういったU−Xフレーズ
を上手くフレーズの流れの中で使っていくのです。最初はなかなかフレーズ
がとってつけたようになってしまいますが、沢山の曲をコピーしていく
中で自然に覚えたフレーズが繰り出せるように練習していきましょう。

ご質問のフレーズはバックのコードを意識したU−Xフレーズです。
曲のKeyがB♭であっても、Dm7・G7の時はドミナントをG7と考えた
U−Xフレーズを弾きます。(一時的にKey=Cmと考えていますが、本来は
Key=Cmの場合、Dm7(♭5)からG7、そしてCmのコードがダイアトニック
コード的には正しいですが、Dm7・G7・Cm7でも一般論として問題無く響きます)
B♭7のご質問も同様の考え方だと思われます。まずは、いろんな曲で
その覚えたフレーズを使って見てください。仮にB♭7だからといっても
次のコードが何か、曲の雰囲気はどういったものか、によってその覚えた
フレーズが合う場合もあるし、合わない場合もありますからね。

「練習の時はフレーズ練習を沢山して、本番の演奏ではそれを忘れるんだ」
という有名なセリフがありますが、覚えたフレーズが無意識で出せるように
なるまで反復練習すると良いという事ですね。頑張って下さい!!(^^)

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