Q&A
質問:はじめまして。四月にジョンサイクスのライブを見に行って
きました。さすがレスポールの貴公子、という感じですごくかっこ
よかったです。(ハウリング対策のQ&Aに載っていた「あまりにも
ボリュームやピックアップセレクタを動かす手が早すぎて残像が見える
くらい」というのはホントですね!いくらなんでも気にしすぎって
くらいいじりますね。)で、なにがかっこよかったかって言うとソロとか
リフとかアクションとかは文句がないのですが、曲の始めに必ずと言って
いいほどやるグリスがかっこよかったんです。whitesnakeの
still of the nightの冒頭部分で聞けるようなあのグリスです。
もう彼にとっては手癖と化してぜんぜん意識なんてしてないのでしょうが、
僕が家でやってもへろへろのかっこわるいグリスになってしまいます。
どうすればジョンのようなグリスができるのでしょうか。
よろしくお願いします。(from サーシャさん)
回答:はじめまして、サーシャさん!!ジョンサイクスカッコいいですよね!
何を隠そう、僕はアマチュア時代にジョンサイクスの完全コピーを
ギター&ボーカルでやった事があります。コンサートも2回行きました。
still of〜は勿論、ブルーマーダーの1枚目2枚目の曲まではほぼ完璧に
コピーした思いでがあります。いや〜懐かしいなぁ!!
その「カッコいいグリス」はよーく知っていますよ。あのグリッサンドを
決めるにはいくつか条件があるので、そこを検討してみましょう。
1・スライド・テクニックの問題
2・ハイゲインなディストーションが得られる環境の問題
3・ピッキングの問題
4・精神的なロック魂の問題
まず「グリッサンド」というギター奏法について解説しますと、
「スライド」奏法との比較で考えると良いんですが、「目的の音が明確
にあってそこに移動する奏法」が”スライド”で、「目的の音は明確に
無くて、どの音(フレット)に移動するかということは具体的に考えて
いない奏法」が”グリッサンド”です。
ジョンサイクスは基本的にローポジションから一度ハイポジションに
グリス・アップし、そのまままたローポジションにグリス・ダウンする
方式のグリッサンドが非常に多いと思います。コツとしてはグリッサンド
している瞬間に「弦を押さえている感覚」というのをずっと持ち続ける
ようにすることです。”ちょっと力を入れて弦を押さえている”という
事なんですが、”力んでいる”とは意味が違います。左手は力を抜いて
リラックスしているんですが、左手の指はしっかり弦を押さえている感覚
を持ったままグリッサンドを行う事です。
あと、グリッサンドのスピードが意外とコツで、グリスアップをちょっと
ゆっくり目に、そしてグリスダウンに変わった直後はかなりのスピードで、
そしてローポジションに戻ってくるあたりではまたゆっくり目にグリス
すると結構似てくると思いますよ。
次は、ディストーションサウンドについてですが、サイクスの音を出す
にはやっぱりレスポールでないと似ないです。ストラトタイプにハムの
ピックアップを載せても歪むんですが、あの音は出ません。理想は
レスポールです。ピックアップはサイクスは変えていますが、これは
あんまり気にしなくても結構似てくれます。アンプについてはメサ・ブギー
等のハイゲインアンプのアンプ直のサウンドがベストです。ショート・
ディレイやリバーブ等を薄くかけてあげるとよりグッドでしょう。
ジョンサイクスのピッキングはとても切れがあります。かなりのスピード
でピッキングしています(早弾きという意味ではなく、弦をはじく際の
手首のスピードが早いという意味です。)ので、グリッサンドにおいても
ピッキングは歯切れ良くいかねばなりません。また、グリッサンドで
戻ってきた時に6弦のロー・ポジションのフレットにピッキング・ハーモニクス
を決めながらゆっくり目のビブラートをかけると、さらにサイクス風味が
増すでしょう。
最後に、基本的にサイクスは昔のゲイリームーアが好きなので、「押せ押せ
イケイケ」の感じでプレイしないと感覚が似てこないです。押したり引いたり
の大人の駆け引きもイイですが、サイクスやるなら、ひたすらイケイケドンドン
で弾きまくってやる!位の勢いを持って上記のテクニックに気を付けて
グリッサンドしてみてください。すると実にサイクスな感じが得られます。
試してみてください!!
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