Q&A


  ■アドリブ時における演奏家の意識vol.2
質問:
初投稿です。よろしくお願い致します。ずっと疑問に思っていたことがあり、
ここならちゃんと答えて頂けそうで、質問させて頂いた次第です。
いまクイーンのアルバム『News of the world』の
『Who needs you』をコピーしています。コード進行を
コピーしたあとソロもコピーしたのですが、その時よく思うことは、
『次からは、その原曲(この場合はWho needs you)の
ソロと同じフレーズが自分の頭に(とっさに)浮かんでも、自分も
アドリブでそのフレーズやソロを弾ける(つまり譜面を暗記していなく
ても弾ける)ように、ソロの仕組みを研究しよう。』ということです。
 このように考えること事態が間違っているかもしれませんが、
上級者(たとえばプロの方)なら、自分の頭に思いついたフレーズを
アドリブですぐさま1音のズレなく体現できると思うのです(少なくとも
Keyがわかっていれば)。
 もちろん、いまの私でも、『あ、このフレーズは多分あのシェイプの
あそこをチョーキングした音だな』ぐらいはわかる時はあります。
しかし、ときには耳コピをしていて、たとえばメジャースケールや
マイナースケールなどでは、半音差の音も含まれているわけですから、
原曲のギタリストはアドリブで弾いていて、その原曲の音の隣のフレット
を押さえたりしてしまう可能性はないのだろうかと考えたりします。
つまり、自分の頭で鳴っている音はDなのに、C#を弾いてしまったり
しないのでしょうか。
そういう時に関わってくるのが、『モード』だったり『バッキングコード
の構成音を意識しながら弾く』ということなのでしょうか。
つまり、ただ単にスケールという概念だけだと、数あるスケールノートの
中のどの音が自分の出したい音かがわかりづらい。絶対音感や、
かなり優れた相対音感があればいいのかもしれませんが、ある程度の"目印"的
なものが『モード』や『バッキングのコードの構成音を意識しながら弾く』と
いうことなのかな、と。
『Who needs you』のソロも、Aメジャースケールを使って
いますが、バックでAが鳴っている時はAからフレーズが始まり、
Dが鳴っている時はDから始まるフレーズが弾かれています。これがモード的な
アプローチというものなのでしょうか。AメジャースケールにはC#も
含まれていますが、Dのわずか1フレットとなりのC#から弾かなかったのは、
バックがDだと意識していたからではないでしょうか。
それに、Aメジャースケールには含まれていないD#も、バックがBの時に
弾かれています。私なら、『Aメジャースケール以外の音なのに、なぜアドリブで
D#を弾こうと思いつけるんだろう』と思ってしまいますが、これはやはり、
バックがBで、BはD#を含んでいることを見こして弾いたのでしょうか。
アドリブ中にそこまで考えているのか疑問ですが、上記のことは私の思い
過ごしで、ただ単にプロのギタリストともなれば、相対音感で手に取るように
わかる、ということなのでしょうか。
という風に、私はソロを耳コピする際、バッキングコードとの関係が
どうなっているのかを多少考えます(説明つかないときもありますが)。
次に自分がアドリブを弾く時に応用したいからです。ちょっと質問の意図が
不明瞭ですが、ソロを弾く際、ただスケールだけで弾いているのか
(ちなみにこのクイーンの曲は通常のポップスです)、モードや
バッキングコードの構成音を意識して弾いているのか、ただ音感が優れているのか、
それともコピーなどの豊富な経験が役立っているのか。イメージしている音を
体現する目印的なものはあるのでしょうか。長文大変失礼致しました。
お願い致します。(from らーめんさん)

回答:こんにちは、らーめんさん!
ご質問の回答が書ききれなかったので別ページにさせていただきました。m(_ _)m

らーめんさんのお話で一つ気になったことがあります。
>つまり、ただ単にスケールという概念だけだと、数あるスケールノートの
>中のどの音が自分の出したい音かがわかりづらい。絶対音感や、
>かなり優れた相対音感があればいいのかもしれませんが、

これは、まずいです。相対音感はアドリブにおいて「とっっっっって〜〜も大事」
なので、相対音感を鍛える努力が必要です。スケールパターンではアドリブは
弾けません。でも、「耳コピ」する事と、「ソロとコードとの関係」を考えることは
とってもいい事だと思いますよ!! 

>ある程度の"目印"的なものが『モード』や『バッキングのコードの構成音を
>意識しながら弾く』ということなのかな、と。

目印、としては「小節感覚」は重要です。例えば16小節のアドリブを弾く時に、
一番基本の方法としては、4小節ずつに区切って起承転結をつけるような表現
はとても重要です。マイケル・ジャクソンの「BEAT IT」のソロは良いソロだと
思います。モードは後述します。コードの構成音は、相対音感をまず鍛えて
いって、ご自身がソロを取る時に、「今スケール音の何番目を弾いているか」
をリアルタイムで理解されるようにならないとなかなか厳しいです。
ですから、まず練習としては、相対音感を鍛える練習と(普通のソルフェージュ)、
「フレーズをつなげる練習(コール・アンド・レスポンスという考え方)」
をすると良いです。ブルースのソロを沢山とってみるのが勉強になりますよ。
クラプトンの「クロスロード」とか良いと思います。

>ソロを弾く際、ただスケールだけで弾いているのか(ちなみにこのクイーンの
>曲は通常のポップスです)、モードやバッキングコードの構成音を意識して
>弾いているのか、ただ音感が優れているのか、それともコピーなどの豊富な
>経験が役立っているのか。

コピー等の豊富な経験と、音感、それと「慣れ」が重要なんです。

次に、モードですが、これは少し勘違いをされているようです。

アドリブには
・コーダル(ヴァーティカル)
・モーダル(ホリゾンタル)
な2つのアプローチがあります。要は楽曲のコード進行が単音のメロディーを
聞いているだけでも感じ取れるようなアプローチの事をコーダルなアプローチと
言います。ですから、ご質問の「Aメジャースケールには含まれていないD#も、
バックがBの時に弾かれています。」のアプローチは「コーダルなアプローチ」です。

じゃあ、モードって何か?っていうと、音楽って基本的には明るい曲か
暗い曲が多いじゃないですか?明るい曲の多くは「メジャースケール」、
暗い曲の多くは「(3種類の)マイナースケール」で作られていますよね?
で、このモードっていうのは、そういう「メジャー」とか「マイナー」とか
そういうはっきりとしたわかりやすいハーモニーから少しでも「はずれよう」と
して用いられる手法の事です。メロディーとしてもハーモニーとしても不安定な
感じが続くような状態の表現形態になります。モードは沢山の種類があり、モードにはそれぞれの「色合い」があります。リディアン・モードとミクソリディアン・モードは全く色合いが違います。それぞれの色合いを楽しむような感じで、メロディーがかなり
全体を引っ張っていくサウンドになります。コード進行については殆ど考えなく
なります。(基本的にプライマリーというコードとセカンダリーというコードしか
考えなくなります。)

スティーブ・ヴァイを想像してみてください。ああいう雰囲気が「モード」です。
コード進行っていうのも上記の通りあんまり考えなくなって、基本的には
一発もののコードというのも多くなります。オールマン・ブラザーズ・バンドも
「モード」を使います。一番有名なのは「マイルス・デイビス」です。
ちなみにコーダルなアプローチでは、「チャーリー・パーカー」が有名なので
聞いてみてください。DONNA LEEという曲がお薦めです。

以上、アドリブについての回答でした!よろしければ参考になさってください(^^)

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