Q&A


  ■アドリブ時における演奏家の意識vol.1
質問:
初投稿です。よろしくお願い致します。ずっと疑問に思っていたことがあり、
ここならちゃんと答えて頂けそうで、質問させて頂いた次第です。
いまクイーンのアルバム『News of the world』の
『Who needs you』をコピーしています。コード進行を
コピーしたあとソロもコピーしたのですが、その時よく思うことは、
『次からは、その原曲(この場合はWho needs you)の
ソロと同じフレーズが自分の頭に(とっさに)浮かんでも、自分も
アドリブでそのフレーズやソロを弾ける(つまり譜面を暗記していなく
ても弾ける)ように、ソロの仕組みを研究しよう。』ということです。
 このように考えること事態が間違っているかもしれませんが、
上級者(たとえばプロの方)なら、自分の頭に思いついたフレーズを
アドリブですぐさま1音のズレなく体現できると思うのです(少なくとも
Keyがわかっていれば)。
 もちろん、いまの私でも、『あ、このフレーズは多分あのシェイプの
あそこをチョーキングした音だな』ぐらいはわかる時はあります。
しかし、ときには耳コピをしていて、たとえばメジャースケールや
マイナースケールなどでは、半音差の音も含まれているわけですから、
原曲のギタリストはアドリブで弾いていて、その原曲の音の隣のフレット
を押さえたりしてしまう可能性はないのだろうかと考えたりします。
つまり、自分の頭で鳴っている音はDなのに、C#を弾いてしまったり
しないのでしょうか。
そういう時に関わってくるのが、『モード』だったり『バッキングコード
の構成音を意識しながら弾く』ということなのでしょうか。
つまり、ただ単にスケールという概念だけだと、数あるスケールノートの
中のどの音が自分の出したい音かがわかりづらい。絶対音感や、
かなり優れた相対音感があればいいのかもしれませんが、ある程度の"目印"的
なものが『モード』や『バッキングのコードの構成音を意識しながら弾く』と
いうことなのかな、と。
『Who needs you』のソロも、Aメジャースケールを使って
いますが、バックでAが鳴っている時はAからフレーズが始まり、
Dが鳴っている時はDから始まるフレーズが弾かれています。これがモード的な
アプローチというものなのでしょうか。AメジャースケールにはC#も
含まれていますが、Dのわずか1フレットとなりのC#から弾かなかったのは、
バックがDだと意識していたからではないでしょうか。
それに、Aメジャースケールには含まれていないD#も、バックがBの時に
弾かれています。私なら、『Aメジャースケール以外の音なのに、なぜアドリブで
D#を弾こうと思いつけるんだろう』と思ってしまいますが、これはやはり、
バックがBで、BはD#を含んでいることを見こして弾いたのでしょうか。
アドリブ中にそこまで考えているのか疑問ですが、上記のことは私の思い
過ごしで、ただ単にプロのギタリストともなれば、相対音感で手に取るように
わかる、ということなのでしょうか。
という風に、私はソロを耳コピする際、バッキングコードとの関係が
どうなっているのかを多少考えます(説明つかないときもありますが)。
次に自分がアドリブを弾く時に応用したいからです。ちょっと質問の意図が
不明瞭ですが、ソロを弾く際、ただスケールだけで弾いているのか
(ちなみにこのクイーンの曲は通常のポップスです)、モードや
バッキングコードの構成音を意識して弾いているのか、ただ音感が優れているのか、
それともコピーなどの豊富な経験が役立っているのか。イメージしている音を
体現する目印的なものはあるのでしょうか。長文大変失礼致しました。
お願い致します。(from らーめんさん)

回答:こんにちは、らーめんさん!
アドリブについてのご質問ですね。「■アドリブがうまくできないのですが。。」
のコラムも合わせてご参考になさってください。

この質問を整理すると、らーめんさんは、
1・アドリブの時の演奏家の意識
2・モードの意味
の2つをまず、お知りになりたいと思われますので、今回はこの2点に
的を絞って解説したいと思います。もうちょっと他の観点からも知りたい!
という場合は、またQ&Aに投稿してくださいね!!忙しくてすぐ返信出来ない
場合もありますが、時間はかかっても必ず返信しますから!!

さて、まずは1からいきましょう。
極力、「ぶっちゃけトーク」を使うように心がけます。(^ ^)
アドリブを勉強するというのは「英会話」を勉強することと大して
変わりはない、と僕は考えます。
英会話に必要なものは・・・・・
1・単語
2・本能的なコミュニケーション能力
3・慣れ

これだけだと考えます。「文法」が含まれていないことに注目して下さい。
1の単語に関しては「フレーズ」だと思ってください。これは、
らーめんさんの場合、「耳コピーしてストックしたフレーズ」が該当すると
考えてください。

2は、例えば単語が大して知らなくても、一つの単語を大きな声で言ったり
小さな声で言ったり、感情的に言ったりして、(例えばLOVEとかCOOLとか)
コミュニケーションをとっていける人はいますよね。逆に沢山の語法を
知っていても、「場に応じた発言が出来ない人」はいわゆる「サムーイ」
事になっちゃうじゃないですか?

3は、アメリカ行っている時だけは英語話せるんだけど、日本に帰ってくると
全く話せなくなってしまう、な〜んて話も良く聞きますよね。要はその行為自体に
慣れていると「あんまり大して何にも考えて無くても普通にその場をしのげる」
という場合は多分にある、という事です。

何が言いたいか、というと、アドリブ時に一番大切な事は
「フレーズをつなげていく能力」なんです。いっくら、コードBに対してD#の音を
演奏できても、その「前後のフレーズがメロディアスでなければ、また、ソロ全体が
COOLでなければアドリブとしては全く意味が無い」のです。逆に、コード進行の事
等なーにんもあっていなくても、Aブルーノート・ペンタトニックスケールで、
カッコよく演奏するほうがアドリブとしては優れている、ということをご理解下さい。

だからこそ、「今自分が何の音を出しているか→まずは、理論は一旦おいといて
それがカッコいいか悪いか」という判定が出来るような意識を持って演奏して
欲しいのです。そういうことをやれていれば、例えば、僕は
「■アドリブがうまくできないのですが。。」のコラムにCMaj7の時にFの音を
出すと良くない、と書きましたが、仮に間違ってFの音を出してしまったとしても、
前後のフレーズのつながりが良ければ脱出方法はあります。フレーズが
小節線を越えて「流れていかないといけない」のです。

しかし、バックのコードに全く合っていないというのはまずい場合も出てきます。
例えば、「ジャズ的なアドリブ」というものがやりたければ、基本的に
「コードが無くても、単音のソロを聞いているだけでコード進行が感じられる」ような
ソロは一般的にジャジーな表現になる確率が高いと言えます。他にも色々要因は
ありますが。

ただですね、バックのコードばかりに気を取られてしまうと、肝心のソロのメロディーのフレーズのつながりが本当に悪くなってしまうんです。「メロディーを作る能力」と
僕は■アドリブが〜〜のコラムで書きましたが、「コピーしたフレーズをつなげる能力」と言い換えても差し支えないと思います。ロック&ポップ系のアドリブならば、まずは
ブルーノート・ペンタトニック・スケールで作られた「フレーズ」のストックがどの位
沢山あるかが結構大事です。でも、逆にフレーズは少しでも良いんです。チョーキング
一発だけとか(笑)でも、そのチョーキングのフレーズの「流れ」さえ上手くいけば
全く問題なく良いソロができるんです。

で、それが出来るようになったら、一歩進んで、コード進行の流れもイメージしながら、先ほどと同じ「フレーズをつなげる」という意識は絶対に捨てないでいきます。
@というフレーズとAというフレーズを耳コピーして覚えていたとします。
Aというフレーズの長く伸びる音を今バックのコードがBだから、本来Aの伸びる音は
Bなんだけど、あえてD#にして弾いてみよう、とかそういう工夫があると良いですよね。
但しプライオリティーとしては、「@とAのフレーズがうまくつながること」の
方がずっと重要です。
「@今日、楽器屋でギター試奏してきたんだよ。」
「Aラーメン美味しかった??」っていう会話と同じ状態になってしまいます。
アドリブは会話と一緒です。僕はスケールはメジャースケールだけきちんと弾ければ
あとは必要無いと考えています。(モードも含めて、メジャースケールの延長線で
考えています)

あららら・・・スペースが無くなっちゃったので、別ページに書きます!!
vol.2をご覧下さい!

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