Q&A


  ■ピックの持ち方
質問:ピックを軽く持ってコードを弾くと、
位置が少しずつ変わってしまい、右手が弦に当たってしまいます。
速いピッキングのピックの持ち方と一緒でいいのですか?
やはりピックが深く入りすぎているのでしょうか?
リフなどでミュートをするとき、指があたってしまいます。
(特に親指or人指し指)ピックの持ち方・ストロークの仕方が
悪いのですか? 教えてください。
癖はなかなかなおりにくいです。(from YMSギター練習生)


回答:YMSギター練習生さん、ども!横浜ミュージックスクールの
生徒さんですね!熱心な質問内容で、こういう問題意識を持っている
人は必ずいい方向に良くと思いますよ!!

さて、結論から先に言うと通常人間の癖を直すには半年かかります。
これは勿論、練習時間や指の神経の繊細さ等でも個人差がありますが、
少なくとも、明日に「ハイ、出来ました」と言える類のものでは
ないのです。今までギターを弾いてきて、フォームの癖が形成されて
しまっている訳ですから、それを自分で意識しながら直さなければ
なかなか思うようにピックや手首は動いてくれません。

大事な事は焦らないことです。焦ると、よけいに力が入って手首を
ブラブラとさせたフォームが出来なくなります。しかしながら、
横浜ミュージックスクールに入学したということは、音楽について
「本気で考えている」からだと思いますので、「焦らず、急いで」
フォームを直す練習に取り組んでくださいね。

さて、回答ですが、ピックの持ち方は、「速いピッキング」も
「コードカッティング」も、一緒に持ちます。何故なら、コードカッティング
のすき間に早い音が入るヌーノ・ベッテンコート的な弾き方もある位ですから。
人差し指の先とピックの先には1センチ位の間が空いて無いと駄目です。
僕は「Jazz3」という小さなピックを使っていますが、普通にカッティングを
しています。人によってはフレーズによってピックを使い分ける、という
人もいるようですが、それではライブの時に全く対応できないと思います。

ピックは指の中で回ってはいけませんが、上下に軽く動かないとまずいのです。
ピックがしなる感覚が持てないと脱力した音は出せません。力を入れたピッキング
は「速いピッキングの方法」のコラムにも書きましたが、「カタイ音」になって
しまいます。ピックと弦の激突音だけが鳴って、音程そのものが綺麗に鳴って
くれません。Jazz3でこの感覚を得るのはとっても難しいので、勉強中の段階では
「フェンダーのHeavy」のピックをお勧めしますよ。でも、それでもピックが回って
しまうようであれば、最初は「ミディアムの厚さのピック」を使ってピックが
しなる感覚を覚えるのも一つの手です。

ただ、最終系のスタイルとしては、「厚いピックを脱力して弾ける」という
状態をお勧めします。ソロ演奏やバッキング等でも強弱をつけて演奏しますので、
柔らかいピックよりも硬くて厚いピックの方が強弱の幅が沢山出るからです。
が、アマチュアの方に多く見られる誤解は、速弾きをする時に、硬いピックを
しっかり力を込めて持って、ピッキングすると弦にピックが「ひっかからない
からイイ」っていうものなんですが、そもそもピックがひっかかる時点で、
まずい訳です。その時のサウンドを想像してみてください。ピックと弦が激突
して、弦をかきむしる過程において発生する出音を・・・弦が切れる、
なんていうトラブルも良く発生します。

昔はギター教本等が無かったので、「耳」で練習するしかなかったのです。
ですから、レコードを耳コピーして、譜面に自分で書いて(昔はタブ譜も無か
ったんですよ)、ってところから勉強していったんですよね。
その過程において、自分自身のプレイをチェックする「耳」があれば、
「あぁ、今自分は固い音がしてるからもっとスムーズな音が出したい」等と
想像して、そういう音を出すために自然にピッキング・フォームやフィンガ
リングフォームが形成されていく・・という流れがいわゆる独学の世界的な
レベルのトップ・ギタリストなのですが、これは正直言って常人にはまず
不可能の「宇宙人的な耳のレベル」でありますし、また
「偶然性(たまたま上手くなった)」という場合もありますので、
確実に2年間でここまで上手くなりたい!等と合理性を重視して、
音楽専門学校等にも通われる修行方法をとられる場合は、やはりご自分の
フォームを鏡などでチェックして根気良く直していった方が良いですよ。
そんな簡単な事では無いですけど、焦らずじっくりと頑張って下さいね!!

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