Q&A
質問:加茂フミヨシさんこんにちは。
僕はスウィープが出来るようになりたくて毎日
練習しているのですが、どうしても音がブチブチ
となってしまって、うまく音になってくれません。
どういうところに気をつけて練習すれば
良いでしょうか。(fromTAKAさん)
回答:TAKAさん、どもです!!
スウィープについては、僕の生徒も結構やりたがる
んですが、TAKAさんの言っておられる「音がブチブチ
症状」は良く出ますね。今までの指導経験から得た
スウィープの練習方法をお伝えしたいと思います。
まず、何故「音がブチブチになってしまうか」と
いうと、殆どの場合「右手と左手がぴったりタイミング
が合っていないから」です。中でも「左手が右手の
ピッキングに追いついていない」せいで音が出ない事が
多いと思われます。
これはスウィープが、本来オルタネイトピッキング
するところをワンストローク(ダウンだけとか)で
ピッキングするために、自分の脳の感覚よりもピックの
スピードの方が勝ってしまってるんですよね。
いつもは、オルタネイトのスピード感で脳にインプット
されていると思いますから、どうしてもスウィープの
場合、右手が速いテンポになってしまいがちで、
脳には「オルタネイトのスピード感で左手が動くように
」インプットされている訳なんで、実際には右手が
それよりも速いテンポで動いていますから
結果として、左手が追いつかないという症状が現れます。
また、スウィープのフレーズの多くが、コードの構成音を
分解した「ブロークン・コード」のフレーズの為に
ギターでは通常弾きにくい運指になるために、左手が
うまく動かないという側面もあります。
この症状を克服するには、まず「左手だけ」で練習して、
・ブロークン・コードのポジションを完全に記憶する
・ピッキング無しの左手のハンマリング(左手タッピング)
だけでも音が出せるようになるまで左手を強化する
事が重要です。例えば、6弦8フレットから始まる
CM7コードのブロークン・コードのポジションは?って
聞かれた時に頭で考える前に瞬時に指が動く位まで鍛錬
しておかないと、右手のピッキングとはなかなかシンクロ
しないですよ。
左手で、もう一つ馬鹿に出来ないテクニックが
「ジョイント」のテクニックです。例えば、Bmのアルペジオ
で、「1弦7フレット」「2弦7フレット」「3弦7フレット」
の音を「コード」ではなくて「ばらばらな個別の音」で
弾くには、通常1弦〜3弦までを全て人差し指で押さえるの
ですが、人差し指でただバレー(セーハ)しただけだと
当然の事ながら全部の音が”和音”になってでてきてしまって
ソロに聞こえない訳です。これを回避するにはジョイントの
テクニックを使って人差し指を反らせながら、例えば
2弦を弾いている時には1弦&3弦の音が聞こえないように
音をミュートしていかなければなりません。これが
なにげに難しいんですよね。(笑)
ここまで、左手を鍛えたら、次は右手の話です。
一番僕が大事にしているのは「右手のピッキングの角度」
なのですが、良くスウィープをやる人はダウンスウィープの
時には、ピックを下に傾けて、アップスウィープの時は
ピックを上に傾けて・・・等とピックアングルの調整を
する傾向がありますが、僕はこの手法に否定的です。
何故なら、アドリブ中に「右手のフォーム」について考慮
するということはまずありえません。ダウンピッキングで
弾くか、アップピッキングで弾くか、スライドで弾くか、
プリングで弾くかは、その時になってみないと解らないのです。
全ては「ソロの流れ」が決めることであって、スウィープ
フレーズにしても、例えばAmのスウィープでも、Aの音から
始まるかどうかは解らないのです。Cの音やEの音から
フレーズがスタートするケースは十分考えられるでしょう。
また、年がら年中スウィープしているわけでもありません(笑)
ので、通常のオルタネイト・ピッキングとのコンビネーション
の中にスウィープが登場する、というのが一般的な使い方
だと思われますので、ピッキング・フォームに関しては
「オルタネイトピッキングと全く同じピックアングル」で
スウィープを弾くのを強くお勧めします。そうでないと、
オルタネイトフレーズとスウィープフレーズのフレーズの
繋がりが悪くなってしまって、フレージングが「とってつけた
ような感じ」になってしまいがちです。
イングヴェイ・マルムスティーンの初期の曲等に良く見られる
「キメソロとしてのスウィープフレーズ(アドリブではなく、
前持ってアレンジ段階で準備されているフレーズ)」でなら、
上記の「ピックアングル変更」も良いとは思いますが、
僕はあまりキメソロのようなフレーズを弾きませんし、
ソロも殆どがアドリブを重視しているので、あまりそういう
状況下でソロを取ることがありませんので、僕にはピック
アングルを変えないやり方がフィットします。
スウィープには色々流派(?)があるようで、ざっと解説
すると、
1・フランク・ギャンバレ風
2・リッチー・コッツェン風
3・イングヴェイ・マルムスティーン風
等に分かれます。一番のお勧めは1のフランク・ギャンバレ
風の弾き方です。ギャンバレは基本的にハンマリング・
プリング等のテクニックを用いないで全部ピッキングで
スウィープフレーズを弾きますので右手が結構難しいですが、
通常のオルタネイトフレーズの中にスウィープを最も
取り入れやすい弾き方だと思います。練習をしっかりすれば
右手が今何ピッキングをしているか?という事を気にしなく
ても、左手に集中してアドリブをすることが一番実現しやすい
スタイルだと個人的には思います。
2・のリッチーコッツェン風の弾き方は、ダウン・スウィープ
を重視して、アップスウィープの時は左手のタッピングだけで
演奏する方法です。この場合、上記のコツの所で述べた
「ジョイント」テクニックは使えませんので、結果的に
異弦同フレットを避けるようなポジションを選択しなければ
ならないので左手のストレッチがかなり大変になるでしょう。
メリットとしては、サウンドにかなりレガートなニュアンスを
持たせる事が出来ます。右手のタッピングもからめて演奏
するケースも結構あります。トニー・マカパインもこの
タイプに属します。
3・のイングヴェイ風は最もスタンダードな弾き方ですが、
なにげにアドリブの中であのフレーズを弾くのは大変だと
思います。最近のイングヴェイは全てアドリブでソロを弾いて
いますが、あれはあくまでも神の境地なのであって、殆どの
人はあのフレーズをアドリブではなく、「前もって準備
したフレーズ」として使っているのが現状だと思います。
(そうじゃない人も勿論他に沢山いると思いますが)
他にも、スティーブ・ヴァイのスライドをからめたスウィープや
ジョー・サトリアーニの完全に左手のタッピングだけで演奏する
スウィープ(もはやスウィープではない?)もありますが、
基本的な所は上記の3ギタリストで網羅していると思いますので
チェックしてみてくださいね!!
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