■フュージョンギタリストになるには何が大切でしょうか? |
質問:こんばんわ、加茂さんに是非アドバイスを頂きたい点がございまして
メールを送信させていただきました。
加茂さんが耳を鍛えるには譜面起しが良いと書いていたのを見て、
僕の大好きなグレッグハウの曲を譜面に起そうと考えました。
しかし理論的な事をあまり知らず、元々メタル系ばかりやっていたので
使ってるスケールがさっぱりわかりません。
@ハウやヘンダーソンやリッチーコッツェンがよく使うようなスケールを
知っていたら教えてください。
Aそのスケールを血肉と化す効率的な練習法があれば教えてください。
(アドリブ、作曲等で使える)
Bフュージョンギタリストになるには何が大切でしょうか?
Cあとヘンダーソンが言っていたステイオアムーブという練習法の意味が
わかりません よろしくお願いします(from 天の川さん)
回答:天の川さん、こんにちは。
グレッグハウやリッチーコッツェン等ロック系のフュージョンギタリスト
に関するご質問ですね。では早速回答させていただきます。
>加茂さんが耳を鍛えるには譜面起しが良いと書いていたのを見て、
>僕の大好きなグレッグハウの曲を譜面に起そうと考えました。
>しかし理論的な事をあまり知らず、元々メタル系ばかりやっていたので
とりあえずですね、譜面おこしについては、理論的な事はそんなに
要らないですよ。譜面おこしというのは鳴っている音を忠実に拾って
いくという作業ですので、確かに理論をしっていれば譜面がおこしやすい
というのもありますが、グレッグハウ等の演奏はその辺の理論は超越して
しまっていますので、本に載っているような音楽理論のスケールがそのまま
彼らの演奏に反映されているかというとそうでも無いと思います。
なので、まずは理論とかじゃなくって音を拾ってみるという作業が大事
ではないでしょうか。音を拾ってみると見えることもあります。
>@ハウやヘンダーソンやリッチーコッツェンがよく使うようなスケールを
>知っていたら教えてください。
スケールについては、やはりジャズで良く使われるモードによる
演奏が多いんじゃないでしょうか。
僕が聞いた曲ではドリアンモード等を使って演奏していましたね。
メジャースケールから派生する基本的なモードはまず押さえておきたい
ですよね。アイオニアン、ドリアン、フリジアン、リディアン、
ミクソリディアン、エオリアン、ロクリアンあたりは使えるように
しておきたいです。とは言ってもアイオニアンとエオリアンっていうのは
結局はメジャースケールを弾いているようなものですので、
基本的には、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアン、
ロクリアンですかね。具体的にどの曲でどう使うとかじゃなくって
彼らの曲にトライするなら、この位は出来ないと難しいっていう意味で
捉えてください。理論的には少々難しい話なので、教本や雑誌を買ったり
誰かに習ったりしてモードについての知識は勉強すると良いと思います。
もう一つは、ブロークンコードですね。コードの構成音をバラバラに
弾いていく技術が彼らは素晴らしいです。
テンション・コードのブロークンコードも良く出現すると思われます。
>Aそのスケールを血肉と化す効率的な練習法があれば教えてください。
>(アドリブ、作曲等で使える)
とりあえず、アドリブと作曲は異なるものなので、2つを一緒にする
事は難しいですが、スケールを覚えるという事で言えば、やっぱり
「ポジション=運指」をどう考えるかということじゃないでしょうか。
ギタリストによって、例えばド→レ→ミ→ファと弾く際の
「弾き方(何弦何フレットで弾くか)」が違います。
リッチーコッツェンであれば左手のストレッチを多用して弾く事が
多いと思われます。ギタリストによってこの運指は違いますので、
耳コピーが大変であれば、ライブを見に行ったり、教則ビデオを見たり
して色々な運指を研究されるのが良いと思いますよ。あとは繰り返して練習です。
それ以外に方法はありません。最近良く言っているんですが、ノウハウとか
覚えてもあんまり意味無いです。実際の演奏の場では、人間は緊張したり
トラブルがあったり様々な事がおきますので、ノウハウとかすぐ忘れます。
そういう場で演奏できるというのが血肉化されたという事なのです。
だから、家で弾けても実際にはあんまり意味無いと思います。
もしプロを目指されているのであれば、ライブをやって経験を積んで
オーディションをどんどん受けていくのが良いです。オーディションだって
そんなに開催されているわけではありませんので、雑誌を沢山読んで
オーディションやセッションの場を探すとか、そういう努力が必要ですよね。
一番良いのは繰り返し練習をして、ライブをやることじゃないですかね。
>Bフュージョンギタリストになるには何が大切でしょうか?
やっぱり、ジャズの節回しとロックの節回しを勉強するということじゃ
ないでしょうか。このジャズとロックのブレンド感覚を何対何で混ぜるか
ということでオリジナリティーが決まるのかな〜と思います。
とはいえ、フュージョンと言っても色んなフュージョンがありますから、
「バックのサウンド」についてこだわっていくということも大事だと
思いますよ。ギターだけカッコ良くてもバックのサウンドが良くないと
結局ギターまで良く聞こえなかったりします。コンビネーションが
大事です。音楽を聴くときにギターだけに耳を傾けるのではなく、
ピアノがこういうフレーズを弾いているからギターはこう弾く、とか
そういう心がけが大事じゃないかなと思います。
>Cあとヘンダーソンが言っていたステイオアムーブという
>練習法の意味がわかりません
ごめんなさい、僕はステイオアムーブという言葉を今始めて聴きました。
ちょっとこれはわからないです。練習法なんですか。すごいですね。
ダン・ヘンダーソンも凄いですけど、スコット・ヘンダーソンも
凄いですね!・・・というところで何かのお役に立てば幸いです!!