■基礎練習はエレキじゃなくてアコギでやった方が効果的なのでしょうか? |
質問:携帯の電池がないので質問だけ……やっぱり基礎練習はエレキじゃなくて
アコギでやった方が効果的なのでしょうか?バレーコードとかハンマリング、
プリングとかはアコギで練習した後にエレキでやると楽になるのではないかと
思うんですが…(from K.Kさん)
回答:K.Kさん、こんにちは。
基礎練習についてですが、「エレキでアコギの音を出したいのですが・・・」
のコラムと合わせて読んでいただきたいのですが、僕はエレキとアコギを
分けて考えています。ですから、回答としては「エレキの基礎練習も必要」
になります。
というのは、エレキ特有のフレージングってありますよね。
例えば、「歪ませてチョーキングを絡めて速弾きする」、とかはエレキ特有の
フレージングです。(ヴァン・ヘイレンみたいな感じ)これはアコギが
上手い人でもエレキに慣れていないと苦戦すると思われます。
ハンマリング&プリングにしても、歪んだギターは「ノイズを出しやすい」
ので、ただ速く弾くだけでなく、左手と右手の両方で「ノイズをカットしな
がら音を出す」ように心がけないといけません。そうでないと、何がなんだか
わからないフレーズになってしまいます。アコギで弾けたからと言って安心は
できないですよ。あとは、歪んでいるギターとクリーンのギターでは
グルーブ感も違います。僕は基礎練習もテンポに乗ってグルーブしたフレーズ
でやらないと意味が無いと思うんです。例えば、クラシックの曲をギターで
練習する人って良くいますよね。僕は自分の生徒がそういう練習をしていると
たまに尋ねてみるのですが、「君、そのフレーズ、いつ使うの??」と
質問すると、殆どの人が答えられません。こういうのを「練習の為の練習」と
言います。頭の切れる人はこう答えたりもします。「先生、やはりクラシカル
なフレーズで基礎練習をきちんとやった上で、ロック的なフレーズに発展を
していきたいと思うのです」これは立派な回答です。
しかし、「ロック的なフレーズで基礎練習をきちんとした方が」良いと
思いませんか?だって、結局ロック的なフレーズ弾きたいんですよね?
クラシカルなフレーズを弾きたくて練習するなら良いんですが、ロック的な
フレーズをマスターしたいのに、クラシカルなフレーズ弾いても意味無いじゃ
ないですか。似たような回答で「ジャズフレーズをまずは勉強してから、
ロックフレーズをやる」という人もいます。これもジャズがやりたいなら
ジャズフレーズを練習しないといけないでしょうが、ジャズのフレーズは
ロックには合わないです。やはりその音楽ジャンル特有のフレーズメイクと
いうものがあると僕は思います。(例えばジャズではあんまりチョーキング
しませんが、ロックではチョーキングを多用します。)
僕は「Aを表現するためにBを練習する」のなら、結局そのAを表現しなければ
意味が無いんですから、Aそのものをダイレクトに練習したほうが良いと思います。
エレキで表現したいならエレキを練習して、アコギで表現したいならアコギを
練習した方が良いと思いますよ。ただし、バレーコードは確かにアコギで
弾けたほうが良いと思います。しかし、アコギ特有のコードの押さえ方という
ものもありますので(エレキだと響きがイマイチだけどアコギだと良く響く)、
あくまでも、「その楽器、その音楽ジャンル特有の伝統的な表現を学ぶ」という
姿勢を僕はお勧めします。それでは!!