Q&A


  ■効果的な練習メニューを教えて下さい(その2)
質問:いま練習メニューとして、
@テンポ120で一つのコード進行を、(たとえば5〜8フレットあたりだけという風に)
使うフレットの位置をある程度固定してアルペジオで8分音符で弾く。これによって、
たとえば小指で5弦ルートを押さえるメジャートライアドのフォームなど、さまざまな
コードフォームを(ただ知っているだけでなく)テンポの流れの中でしっかりと押さえ
られるのかチェックできる。これを30分。
Aテープに録音したコード進行に沿って、ブロークンコードだけを8分音符で弾いていく。
現在はメジャー・マイナートライアド、メジャーセブンス、マイナーセブンスまで覚える。
2月中に、あとドミナントセブンス、マイナーセブンス♭ファイブ、ディミニッシュセブンス、
オーギュメントセブンスを覚える予定。これを30分。
B速弾きメカニカル。左手と右手で分ける。左手は現在テンポ170でクロマチックや
以前教えていただいたAメジャースケールの3連をノンピッキングしたり一つの弦
だけで弾いたり。右手は最近ずっとやってなくて衰えていたので、現在テンポ130で
クロマチックや以前教えていただいた1・2弦だけのフレーズを16分音符で。
これを1時間ぐらい。C以前お見せした教則本に載っていたブルースのバッキングを
グルーブできるようにクリックに合わせて。1時間ぐらい(少し減らすかも)。
Dブルースのソロのコピーを1時間半ぐらい。現在はジョニーウィンターの
「セカンドウィンター」の1曲目のメモリーペインを。1時間〜1時間半。@〜Dで
合計4時間半〜5時間。という感じです。で、ギターインスト系を一応考えている僕
にとっては、速弾き系は表現方法の一つとして早く押さえたいテクです。しかし、
効率的にギターをうまくなるには基本から順々にやっていったほうがいいのかな、
とも思うのです。で、基本というのはブルースだと思っていて、自分のいまのブルースの
実力で、速弾き系の練習に移っていいのか迷っています(効率を良くする為には、
時間的にもブルースと速弾き系のうち一つに絞って練習したほうがいいのかな、
と思っているので)。やりたいことをやればいいのかな、とも思うし、ブルースを
もっと鍛えてからハードロック・へヴィーメタル系に移ったほうが効率よくギターが
上達するし得るものも多いのかな、とも思うし、このあたりどう思われますでしょうか、
お願い致します。(from らーめんさん)

回答:らーめんさん、今年もよろしくお願いします!
相変わらず強力に練習やってますね〜〜。5時間ってなかなか凄いですね。
僕の生徒もそこまでやってないな・・・、うーん、ちょっと自分の生徒を叱る事に
します!!練習メニューについての僕の考え方ですが、「ブルース系と速弾き系」と
いう風に分けて考えない方が良いのかもしれません。イングヴェイみたいに速弾き
だけど猛烈にブルースが巧い人もいますからね。まぁあの人は特殊ですけど(笑)

ところで、うーん、なんともですね、練習メニューからいまいち「音楽的コンセプト」が
伝わってこないのですよ。僕的には。練習の内容だけ見ると「隙がないように練習する」
みたいな感じも伝わるんですが、「一個一個の練習のクォリティーは大丈夫なのかな?」
という感じもしますよね。30分ブロークンコードやっても、ここ一番では使えないですよ。
やっぱり。また、オーギュメントセブンスのブロークンも良いですけど、肝心なのは、
そのブロークンコードのフレーズ自体がカッコいいかどうかじゃないですかね?

そんでもって、アドリブにそういうフレーズを使っていくには、やっぱりフレーズを
流れるように使えないといけない、イコール、無意識でも発動できる位弾き込んだ
フレーズじゃないと意味がないわけです。僕なら、5時間ブロークンコードしかやらないですね。
っていうか、ブロークンコード一個完成するまで僕ならそれしかやりません。
らーめんさんは効率にこだわっていると思うんですが、効率が良いと美しいフレーズに
なる、とは限らないですよ。僕はシステマティックな効率重視の考え方よりも
美しいか、美しくないのかという事を大事にします。たった一個でも美しいフレーズが
完成することの方が手広くフレーズを装備するよりも音楽的には大事だと思うんですよ。

満足が行くまでブルースにどっぷり浸かる、というのが良いんじゃないですかね?
ブルースからは得るものはあっても失うものは何もないですからね。
ジョニーウィンター語らせたら、らーめんさん日本一!!みたいなノリが良いんだと思うんですよ。
そしたら、新しく別な事やるときも「ジョニーウィンターの時はこういうイメージでやると
うまくいったから、今回もいけるはずだ!」とか思えるでしょう?要は完成系のイメージを
早く持つ事が大事なんですよ。人間はイメージできないことは具体化できませんので、
やっぱり一個ずつのテクニックを集中型で完成させていったほうが良いのかな、と
思いますね。右手の練習ばかりやっていて、次に左手ばかりやったら右手を忘れちゃった、
そしたら、また戻って右手をやるんですよ。そういうのをらせん的(Spiral)な学習と
言いますが、僕は最も効率の良い学習方法だと思っています。

ファミコンからプレイステーションに移行した時にやたら難しくなかったですか?
それはプレステでは「ボタンの数」が圧倒的に増えたからです。ファミコン時代はAボタンBボタンを
完璧に使いこなせれば良かったけど、プレステでは「技の選択肢が増えた」から、ボタンを組み合
わせた技のクオリティーが落ちてしまっていると思うんですよ。コンピューターでどんなフレーズでも
サンプリングできてしまうこの時代、必要なのは「質」でしょう。フレーズの弾き込んだ質、
音色の質、音楽的な一つのジャンルへのこだわり(質)、そういうことじゃないかなと思いますね。
手広く効率良くやるなら、サンプラーには勝てませんよ絶対!Giga Samplerの音とか聞いたら
失神しちゃいますよ!!らーめんさんのこだわり、横の広さではなく、懐の深さ、というものに期待
したいと僕は思います!頑張ってください!!

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