Q&A
質問:プロギターリストと、アマチュアとはなんの違いがあるの
でしょうか??アマチュアでも、めちゃうまい人はたくさんいるし、
トーンがあの松本氏と全く同じぐらいに抜けのあるいい音
してる人も知り合いにいます。プロとアマチュアの違いって
何があるのでしょうか??(from SATOSHIさん)
回答:はじめまして、SATOSHIさん。僕のサイトにようこそ。
僕のサイトのQ&Aにはじめてお越しいただいた方にはいつも説明
していることがあるのですが、以下の回答はあくまでも僕自身が
個人的にそういう考え方を持って音楽をやっているというだけで
断定的な口調であるからといって真実かどうか?ということについて
はわかりませんので、回答というよりも「意見」と捉えていただいた
ほうが良いかもしれませんので、あらかじめご了承お願いします。m(_ _)m
さて、プロギタリストとアマチュアの違いについては僕の音楽コラム
”Musiary”の「2002/07/31 プロとアマチュアの違いとは?」
も参照していただきたいのですが、決定的なポイントについては
「独創性」と「スピード」だと考えます。
独創性については分かりやすいとは思いますが、強調させていただき
たいのは「うまいか」「へたか」というのは統計的な情報に基づく場合
もありますが(例えば、コードCからコードFに素早くチェンジできない
ギタリストであれば、統計的に多くのギタリストを見て判断すると
どんなジャンルの音楽家でもC→Fのチェンジは素早くできるのに、
あるギタリストが出来ないのであれば、それはいわゆる下手という事に
なる可能性はあります)、最低限の基準をクリアしているギタリストに
とっては誰が上手いか下手かというのは判別ができないのです。
分かりやすい例をあげると、ジェフ・ベックというギタリストがいます。
僕はエレキ・ギターの表現力という点で彼は世界一のギタリストだと
思っていますが、ポール・ギルバートのように彼がピッキングできるか?
といわれても、それは無理だと思います。(っていうかジェフ・ベックに
対して早弾きしてくれなんて失礼にあたってとても言えないですよ。
僕的には。(>_<)。。)だからといってじゃあポールみたいにピッキング
できなくてもジェフは何で世界一なんだ、と言われると、それは
「僕がそう思っているからです」としか答えようがない主観と感情の
世界になってしまうのです。ここが難しい所ですけどね。
僕の中で「プロ音楽家」とは「独自の音楽性を持っているか?」という
言葉に置換えられます。何故かというと、誰にでも出来る音楽性だったら
その人に弾いてもらう必要がないからですよ。最近のコンピューターに
よるギターシュミレーションで奏でられる音を聞かれたことがありますか?
あれは完全にギタリストそのものですよ。しかし、逆にそのコンピューター
で出来る表現しかその”人間”ギタリストが出来ないのであれば、いくら神の
ようにうまく弾けようが音抜けがよかろうが、コンピューターに仕事を
頼みますね。何故なら人間はミスを犯しますが、コンピューターはバグが
無い限りはミスを犯さないからです。
だから、プロの演奏家であるならば、「その人ならではの演奏」が
出来なければ僕の中ではプロとは言えないのです。収入をいくらもらっている
とか金持ちとか貧乏とか副業でセミプロだとか、そんなのは僕にとっては
どうでも良いことなんですよ。「その人独自の音楽性」を持っていて、それが
僕の求めている音楽であれば、その人にプロとして仕事をお願いします。
逆に誰にでも出来る音楽性を持っている人なのであれば、いくらうまかろうが
抜けのある良い音を出そうが「一番ギャラの安い人」に仕事をお願いすると
思います。仕事ですから、プロに演奏をお願いするにはギャラを払わなければ
いけませんから、誰に頼んでも全く同じ音にしかもしならないなら(ありえない
話ですけど)、当然安い人に頼みますよね。
次に大事なのはスピードです。これもあくまで個人的な意見ですよ。
良く耳にする言葉で「どれだけ時間がかかっても自分が納得できる音楽をやりたい。
プロになると締め切りがあるから制限時間の中でやらないといけないので
妥協しないといけないから、プロよりもアマチュアの方が良い音楽が出来る」
というフレーズって良く聞きませんか?しかし恐らく、プロの方はアマチュアが
10年かかって達する境地(たまたま同じ音楽表現を志向していたと仮定します)
に一ヶ月で到達します。人によっては一日で到達する人もいるかもしれません。
ですから、10年かかっても何かを達成・・・というフレーズはとても美しいと
思いますし、僕もそういう人生をリスペクトしていますが、そのことと
締め切り云々の話は結びつきません。プロは必ず自分が納得できるラインを
締め切りの中で越えてきます。締め切りが辛いからやらない、という時点で
仕事として音楽をやるのには向いていないのかもしれません。
この話がエンドレスになるのは僕も十分承知していますので、SATOSHIさん
独自のご意見もあると思うんですよね。ですから、あくまでもこういう意見も
あるんだ、程度に軽く考えてくださいね。宜しくお願いします!!
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