Q&A


  ■速弾きをさらにスピードアップさせる練習方法について教えてください。
質問:昨年の11月頃から1年間「速弾きが〜」に取り組み、平日は毎日1時間半、
休日は3時間練習し続けた結果、ピッキング編をほぼクリアーできました
(最後のBPM140は除く…)。これまで20年間漫然と弾いてきたのを改めて
これは【信用できる】と思った教則本に徹底的に取り組んだ成果だと思います。
中年サラリーマンとして物凄い進化だと思います。本当にありがとうございます。
さて、質問なのですが、自分の限界を超えてスピードアップするには以下の
どちらの練習スタンスが適切なのでしょうか。
@サスティナブルに余裕をもって弾けるスピードを反復する。
A短いフレーズでも最速に挑んで瞬発力をつける。
今は両方の要素を要素を取り入れて、@4小節続けられるBPMの▲10から徐々に
上げるのと、Aその+10〜15にチャレンジして落とすやり方の両方で練習しています。
個人的には実はAの方が効いている気がしますがいかがでしょうか。
(from 中尾さん)

回答:中尾さん、はじめまして。「速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由」を
読んでくださってありがとうございます。ピッキング編を全部クリアするとは
只者じゃないですね!!僕の本を信用してくださってありがとうございます。
自分が思ったことを正直に書いて、それに共感してくださる方がいるというのは
とても嬉しいことです。ありがとうございました。

スピードアップの方法については、良く質問を受けるのですが、僕は一貫して
下記のスタイルで考えています。

そのスピードアップというのは、「予め決められたフレーズを弾く」という
意味なのか、それとも「アドリブ・ソロ」において速弾きを自由に弾くという
中でのスピードアップなのか。ここが最も問題なのです。
僕は自分の流儀として、予め決められたフレーズを速く弾く、ということは
全く大事にしていません。ハードロックの、キメ・フレーズみたいな奴
ありますよね。ああいうフレーズは得意といえば得意ですが、はっきり言って
しまうと、僕の中では興味の対象外です。

凄く、わかりやすい話をしてしまうと、例えばハイウェイ・スターの速弾きって
テンポ170の16分音符でオルタネイトで弾くっていう奴ですよね。だけども、
あれが弾けたからと言って、テンポ170の楽曲を16分音符を駆使しながら
自由に弾ける、という意味では無いと僕は思うのです。僕にとっては、本当に
弾けているという領域は後者の方に感じるのです。

ですから、単純にスピードアップといっても、メトロノーム的なテンポアップが
(僕にとっての)目標値では無い場合があります。もし、自分だったら・・・の
話としての回答になってしまいますが(このQ&Aは全てそのコンセプトで書かれて
います)、自分が確実に弾けるテンポで、アドリブソロが自由に弾けるのか?という
セルフ・チェックを行いますね。アドリブソロの難易度は自由に設定して良いと
思います。例えば、Am一発、みたいなコード進行でも良いでしょうし、ブルースでも
良いでしょうし、コード進行が難しい曲ならばスケールチェンジが入って来ますから
尚更難しいでしょうし。

恐らく、世界的にも活躍している速弾きギタリストの興味ってそこに行ってると
思うんですね。古くはアラン・ホールズワースから始まって、フランク・ギャンバレ、
イングヴェイ・マルムスティーン、グレッグ・ハウ、リッチー・コッツェンとかは
わかりやすいでしょうし、ジョン・ぺトルーシだって、ライブだったらアドリブを
かなり多用していると思います。故人ですが、ショーン・レーンも強力ですよね。

「速弾きがうまくなる理由 ヘタな理由」で僕が主張したことは、ギタリストは
アドリブ時に自分が何ピッキングをしているかということは考えないものだ、と
言う事でした。であるならば、アドリブソロを弾いた時に、今中尾さんが練習されて
いるピッキングが上手く行かない可能性だってあると思います。(勿論、上手く弾ける
可能性もあります)試しに、ブルースやロック系のセッション等に行かれてみて、
中尾さんが練習されたフレーズを本番で上手く弾けるか?という実験をやってみたら
いかがでしょうか。前もってフレーズを仕込んでおくのは無しですよ。その場で
アドリブで弾いた時に、速く弾きたい!と思った瞬間にちゃんと速く弾けるようでしたら良い方向に練習が出来ていると思います。逆に、予め決めたフレーズしか弾けないよう
でしたら、少しアドリブに目を向けていく・・・というのも良いと思います。
頑張ってくださいね!!

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