■どうしても、チョーキング時に2つ隣の弦が鳴ってしまうのですが・・・ |
質問:加茂さんこんばんは。以前立った時も座った時のような感覚で
弾くコツのアドバイスをいただき、大変参考になりました。その他にも
このQ&Aで、カッティングのコツをつかむことができましたし、
『ひたすら弾くだけ!ギター・トレーニング』で毎日練習しております。
特に、P40の『5〜6弦集中攻撃カッティングで右手の修行』のおかげで
さらに歯切れよくカッティングできているような気がします。
さて、今回の質問なのですが、以前の質問内容と重複しており、
質問しにくいのですが、どうしても解決できないので、質問させていただきます。
タイトルのとおりなのですが、チョーキングダウン時に二つ隣の弦の開放が
鳴ってしまうのです。、『ひたすら弾くだけ!ギター・トレーニング』の
P40の内容も右手でミュートをしなければ4弦の開放が鳴ってしまいます。
加茂さんの写真と自分のフォームを比べてみたりしますが、理想的な形には
なっていると思います。右手のミュートや、左手人差し指のミュートに頼ると
プレイの幅が狭くなる気がします。以前Q&Aで薬指を右ひざの方向に
下ろすようなイメージでチョークダウンという表現もよく分からなかったので、
さらに詳しく解答をお願いいたします。(from ブラボーさん)
回答:ブラボーさん、こんにちは。
ひたすら弾くだけ!ギター・トレーニングを読んで
いただいて、どうもありがとうございます。
5〜6弦のカッティングは難しいですよね。
カッティングというと1〜3弦というイメージがありますが、
ロックやメタル、パンク系の場合、逆に5〜6弦のカッティングが
必要になります。頑張ってください。
さて、ご質問のチョーキング時に2つ隣の弦が鳴ってしまう問題、
これは多くの人が悩んでいる問題だと思います。
もっとはっきり言ってしまうと、1弦を1音半チョーキングして、
すかさずチョーク・ダウン、みたいなフレーズの時に3弦の開放が
なっちゃう・・・みたいな状況ですよね。
まず、最初はチョーク・ダウン時に右手のミュートをしっかり行って、
現状のノイズを最小限にするということから始めると良いと思います。
それと、あんまりフォーム(形・形式・方法)を気にし過ぎるのは
良くないと僕は思います。何故ならば、これは最近ずっと言っている
事なのですが、音楽には「流れ」が存在します。仮に、ブラボーさん
がチョーク・ダウン時でノイズが出なくなったとしますよね。
だけど、本番の演奏でアドリブソロを弾いている時に、ノイズが出る
可能性だってある訳で、プロはそこまで突き詰めて考えています。
単発のチョーク・ダウンのミュートであれば、フォームも重要に
なってくると思いますが、フレーズの流れによっては綺麗なフォーム
で無くてもOK、な場合もあります。さらに具体的に述べると、その
該当するテクニック(問題が生じているテクニック)の前後にどういう
フレーズがあるのか?(アドリブだったら、どういうフレーズを
弾いていたのか?)によって、ノイズの出る確率というのは上がったり
下がったりするのです。「ひたすら弾くだけ!」の場合、フレーズを
止めないで延々と続けられる設定にしているので、この練習がしやすいと
思います。だからといって、フォームが汚くてもOK、という意味でも
ありません。基本は基本としてマスターしておいて、だけど本番の時に
そうなるとは限らない、という事も脳裏に置いておく・・・みたいな
イメージですかね。
それで、薬指を右ひざの方向に・・・というのは、要するにイメージと
して人差し指から薬指までが一本(先をくっつけて)になっていた場合、
薬指から下ろしていけば「真下に指を下げてしまう」ということが
なくなります。チョーキングした後に、真下に指を下げてしまうのが
最もチョークダウン時のノイズが出やすくなります。この場合だと例え
右手のミュートをしようが3弦の開放音は避けられないと思います。
なので、斜め方向に下ろした場合、イメージとして、わずかに
人差し指の先がディレイして降りてくる事によって、ギリギリまで
1弦にも触れている事が可能、という訳です。チョークダウン後の
次のプレイにも即座に移り易いですよね。
参考になるかどうかはわかりませんが、最近、宮脇俊郎氏と「T.T.J」という
曲でギターバトルをやりまして、一見、我々のただの遊びに見えるのですが、
実は我々も遊びか仕事かの境界線上が全くわかってない中でやっています(笑)
その曲の僕のアドリブ・ソロの2ndソロに、1弦22フレットのチョーキングを
素早く行って、その直後にレガートのフレーズに飛ぶ、というものがあります。
リットーミュージックの、ギター・マガジン・オンラインの中に
「加茂フミヨシ式 ギタートレーニング」というコーナーがあって、その中に
「著者たちの語らい--宮脇俊郎&加茂フミヨシ(3)」というコラムがあります。
ここに、「T.T.J」の楽曲と、僕のアドリブソロのスコアがありますので、
笑いながら、見てやって下さい。チョーキングの直後に次のプレイに映る、という
意味がわかってもらえると思います。ただし、T.T.Jは遊びの映像が満載なので
この映像に気を取られると、全く意味がありませんので(笑)スコアを見つつ、
聴いてもらえたら幸いです。一応、今ご説明させていただいたことの、具体例に
なればと思います(^^)頑張ってくださいね!!