■フルピッキング時の弦移動について教えてください。 |
質問:真夜中にすいません。フェイスヒルを爆音で聞きながら
ダンハフ先生の音に酔いながら メールさせていただいています。
実は今日先生の研究所というコーナーに気付き、ポールギルバート風
フレーズというビデオ拝見させて いただきました。ここで僕はとてつもない
大発見をしてしまったのです。それは今までミュートも兼ねて、また
幅の少ないピッキングと思い弾く弦以外は手の右外側が完全にブリッジと
平行に弦に触れていました。手首の動き3割、指の微妙な動き7割で
無理やりねじ伏せていたのです。ところが先生のプレイを拝見してみると
手首が浮いてる……。実際真似してやってみたところ(自分では
カッティングの様なつもりで)手首の可変幅が大幅に増え、一切力をいれず
ともある程度スピードは出せました。ただ、ここからが今夜
アドヴァイスをいただきたいのですが、この弾き方はカッティングの
延長と考えても、トレモロピッキングと考えることが出来ると思う
のですが、全くコントロール出来ません。弦の移動が激しく難しくなりました。
かなりカッティングの練習はしていたので右手を水を切るように
振るというのは感覚的に問題ないのですが、弦移動を含めたコントロールは
僕には至難の業で前から220くらいで16分のトレモロは無意識で出来ますが、
弦の移動が入ると140で弾けるか弾けないかというくらい弦移動に苦しんで
きました。是非その辺のコツを教えていただけないでしょうか?
1.ピックは先端がどれくらい出るようにされていますか?
2.どこを支点に振っていますか?
3.カッティングとの意識の違いはありますか?
毎晩ご多忙のところ本当に申し訳ありませんが、是非晩酌のつまみにでも
ご回答いただけると大変助かります。よろしくお願いします。
(from フュージョン大好きさん)
回答:フュージョン大好きさん、こんばんは。
Laboratoryのポールギルバート風フレーズのビデオを見てくれたのですね。
ありがとうございます。思い返せば、あのビデオ、実験板となってますよね?
どのくらい酷い状況で作ったビデオかと言いますと。知り合いにデジタルビデオ
借りてきて、それを僕の練習場の机の上に載せます。で、メトロノームを
流しながら弾くんですが、あれはあくまでも実験版、要はネット上で動画の
教則ビデオって僕があれを作った当時は殆ど無かったのです。で、誰もやり方
を知らない訳です。(笑)だから、僕がアメリカのサイトを調べてDivxという
のが良い圧縮だというのをインチキ英語で調べて(笑)、それをアシスタントの
方と一緒に作ったんですよ。でね、普通「右手の映像」と「左手の映像」って
カメラを2つ用意して、右手と左手両方にカメラを向けておくんですね。
そうしたら、一回演奏すれば右手も左手も撮れますよね?でも、とにかく実験版
だから予算も無いので、その知り合いに借りたデジタルビデオだけで作っている
んですよ(笑)他に秘密が無い(笑)だから、右手にカメラを向けて映像を撮り、
次に、右手のスローテンポの映像を撮り、そして左手にカメラを向けて・・・と
一回の演奏に4回もレコーディングしているんですよ。だから、時間も無かった
のであの撮影は殆ど全て一発録りです。あのビデオを作った時はここまで沢山の
人に見ていただけるような物になるとは思っていなかったので、今振り返ると
もっと凝って作っておけば良かったと思います(笑)実は今教本を去年くらいから
作っているんですが、これがライブだレコーディングだとなかなか時間が無くて
全く進んでいない(笑)でも、その教本のアイディアは絶対に今までにないタイプ
のものだと確信していますので、時間は多少かかっても必ず良いものを作ります
からそちらの方も楽しみにしていてください!!
さて、フュージョン大好きさんにそのようなご指摘を受けましたので、僕も
早速ネットからダウンロードして(自分で持ってないんかい!!)見てみました。
結論から言うとですね、手首は浮いてないです。手首については弦の存在を
感じる程度に弦に触れています。ただし、ミュートするほどガチっと弦に
押し付けてはいません。
それから、
>1.ピックは先端がどれくらい出るようにされていますか?
ピックの先は人差し指の延長線上にあり(ピックの先と人差し指の先が同じ方向を
向いています)、人差し指の先とピックの先の距離は約1cmです。ただし、
ピッキング・ハーモニクスをやる時はピックを持ち替えて、ピックの先端は殆ど
出ません。今定規で測ったら3.5mm位でした(笑)
>2.どこを支点に振っていますか?
力が入る支点は「ひじ」です。しかし!ここは誤解が無いように説明したいのですが
いわゆる「ひじ振りのピッキング」ではありません。ええと、、ハタキをイメージ
して下さい。ハタキって棒の先に雑巾がついてますよね?で、ハタキを降る時って
どこを持ちます?棒の先ですか?それとも棒の下ですか?普通、棒の下ですよね。
棒の先にはすぐ雑巾がついてますから(笑)で、棒の下を持ってハタキをかける・・・
これって物理的には理にかなってまして、ハタキをかけると手が棒を持っている所を
中心とした円運動をするわけです。雑巾が。そうすると雑巾は実に小気味良く動き
ますよね。超スーパー速弾きとかできそうですよね?(笑)これをギターに置きかえ
ると手が棒を持っているポイントが「ひじ」で、雑巾を「手首から先」だと考えて
みて下さい。そうすると実に快適にピッキング出来るような気がしませんか?
その為には、手首から先が雑巾と同じ位脱力しないといけませんが、そこは僕は
練習して克服しました。
>3.カッティングとの意識の違いはありますか?
ええと、練習をしていたころは、カッティングのピッキングをものすご〜〜〜く
小さく振るという事をイメージして練習していました。ファンクの単音ピッキング
とか沢山練習しました。それで、そのピッキングを段々と速いスピードで弾けるように
練習しました。今は、正直言って、ピッキングについては意識していないというのが
正確な答えです。最初の頃はカッティングのピッキングをとにかく小さく振るように
するというのを意識しましたね。ひたすら。でも、ジャーマン・メタルとか、ビデオ
でも演ってますが、メタリカみたいに全部ダウンピッキングするとかって僕には
物凄く難しかったんですよ。だから何度も練習しました。そのうち、いつからか
ピッキングについては意識しなくなりましたね。ポイントとなる時期があって、
ディープパープルのハイウェイ・スターと、ラリーカールトンのRoom335のカッティング
を弾けるようになったあたりからピッキングについては意識しなくても自由に弾ける
ようになりました。そうそう、弦移動については僕はスティーブ・モーズを徹底的に
練習しましたね。あれは難しいですよ。次のビデオを作ることがあったらスティーブ
モーズのプレイを是非紹介したいですね。彼のプレイはいわゆるエコノミー系の
ピッキングが殆ど無いので、弦移動を練習するには良いと思います。僕も毎日
スティーブモーズをコピーしている時は辛かったな〜〜。弦移動でノイズが出ない
テンポまで落として何回も練習していく以外に道はありません。あと、エクストリーム
のWarheadsのソロもお勧めです。弦移動は大変ですが頑張ってください!