2004/07/31 SHIBUYA-FM 78.4Mhz「GOOD WAVE」11回目

 

僕は作曲やアレンジを行う時に基本的に楽器を使いません。
その理由は、楽器を弾きなれているのでメロディーを「書く」という
行為が手馴れた楽器の「手癖」によって斬新な発想力を欠き、
音楽が演奏能力を超えられないという矛盾が生じやすいからです。
基本的に作曲は紙と鉛筆、アレンジはシーケンサーを使って
行っていきますが、たまに気分を変えたくなったときに決まって
弾く楽器があります。それは「ピアノ」です。
できればアップライト・ピアノよりもグランドピアノの方が良いです。

それは、僕にとってはただの「気分的な問題」で、グランドピアノ
の前に座ってメロディーを書くといかにも今音楽をやっている
という気分になってくるので(笑)メロディーの世界に入り込めるし、
友人のピアニストが「(グランドを練習しているときに)アップライトを
弾くとかえって下手になるんですよ」って話を聞く位、ピアノを
本格的にやるならやっぱりグランドピアノっていうただの憧れ(笑)
な部分もかなりあるので、実際にバリバリピアノが弾けるわけでは
全く無く、 僕がやっていることはピアノの音色に浸りながら
メロディーを探るという程度のものなのですが、 今日オンエアする
方達は本当にピアノが上手い人達で、ここまで弾けたら気持ち良い
だろうなー、と思わせる楽曲を並べてみました。

2004/07/31 On Air
COMRADE SELECTION  テーマ「ピアノの達人」

1・第11番イ短調「木枯らし」/SAMSON FRANCOIS(Chopin)
2・第12番ハ短調「大洋」/Murizio Pollini(Chopin)
3・XYZ(上原ひろみ)
4・The Tom and Jerry Show(上原ひろみ)

フランソワ。ロック系の方でこの名前でピンと来る方はあまりいない
かもしれませんが、クラシックピアノ界隈では鬼才として知られています。
まぁ僕はピアノ奏法の専門的な事は解りませんのであくまでも耳に
聞こえてくるサウンドから感じるものというのは、このピアノの音は
僕に言わせれば完全なロックなんですよ。

左手の低音。この音を聞くと僕にはまるでロックのドラムがガンガン
なっているような気分になります。叩きつけるような感情。
この木枯らしという曲は相当アグレッシブなメロディーをもっています
が、このフランソワが弾いたバージョンというのはこれをロック調に
アレンジしなくても、このまま聞いてもロックに聞こえるくらいの豪快
な弾きっぷりです。

一方、ポリーニは正確で完全主義な音に聞こえます。こういう世界も
僕は好きですね。ポップスで言うとジェイ・グレイドンのプロデュース、
みたいな感じかな?きちんと弾こう、という姿勢がとても伝わってきます。
この曲は猛烈なアルペジオが連続して続く曲でショパンの曲の中では
最高級に難しい部類に入ると思いますが、ポリーニの演奏には
余裕があるように感じますね。まさに達人の演奏です。

上原ひろみさんのピアノを僕はテレビで始めて見た時にぶっとびました。
「トムとジェリー」を弾いていたのですが、演奏にとても勢いがあって、
しかもグルーブしまくっているのですよ。どんどん加速していくような
テンポ感というのはジャズそのものです。XYZもピアノとドラムとベース
しか鳴っていないのに、僕にはハード・ロックに聞こえてしまうほど
勢いのある演奏を聞かせてくれます。

今週はピアノの達人という事でお送りしましたが、COMRADEにも
森岡麗、岡野勇仁という凄腕ピアニストがおりますので、皆様是非
聞いてみてください。岡野さんのアルバムはまもなく発売ですので
情報をアップしていきたいと思います!!
番組へのお便り、僕やSingへのご感想・ご質問どんどん待って
いますので、「SHIBUYA-FM GOOD WAVE係」まで、
メール下さい!
お待ちしております!!



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