2004/07/17 SHIBUYA-FM 78.4Mhz「GOOD WAVE」9回目

 

僕の音楽人生は鍵盤楽器から始まって、ギターへ進み、バンド
を組んでライブやセッションをガンガンやる、ということを中心に
進んできたのですが、プロになってから僕の音楽人生の中心
になったのは、ずばり「アレンジ」です。アレンジに関しては
もう、ダンス、テクノ、ジャズ、クラシック、演歌、ヘヴィメタル、
何でもやりました。中でも僕の20代の人生の思い出になった
のは演歌のアレンジです。まず、ギターを中心に全てを考えて
きた僕には他の楽器が何一つわからない(苦笑)
ここを弦の感じで、とか言われても「エッ、(ギターの)3弦?」
とか思ってしまっていました。しかし、アレンジの一つもできない
ようでは僕の30代は明るくならない、と思いアレンジャーと
呼ばれる人のサウンドは徹底的に研究しました。
今日オンエアした人の作品は僕の財産です。

2004/07/17 On Air
COMRADE SELECTION  テーマ「パーフェクト・アレンジ」

1・I.G.Y(DONALD FAGEN)
2・THE NIGHTFLY(DONALD FAGEN)
3・Cryin' All Night(Airplay)
4・Nothin' You Can Do About It(Airplay)

ドナルド・フェイゲン。ギターをテクニカルに弾くということが
良い音楽家の条件であると勘違いしていた僕にキツイ一発
を浴びせかけたのがドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」と
いうアルバムで、今回はそのアルバムの中から選曲しました。

基本的にアレンジとは「伴奏」が拡張されているものなのですが
メロディーをハーモナイズして、コードをつける。そしてその
コードの構成音をどの楽器に担当させるかを決める。
また、別角度でメロディーが要求するグルーブを考えて
グルーブをアンサンブル全体で出すために各楽器のフレーズ
を考えていく、という創作作業が中心になります。
ドナルド・フェイゲンのアレンジはこのレベルが物凄く高い
のですよ。単純にコードをつけるっていったって、彼の楽曲には
シンプルなコードは一切出現しません。しかし、あくまでも
楽曲はポップに聞こえる。それは恐らく彼の根底にはブルース
が流れているからではないか、と思います。ドナルド・フェイゲン
の音楽からは僕はブルースを感じます。ただ単にテンション・
コードを多用している音楽ではないです。

Airplayも同様ですね。ギターとキーボードをコンビネーション
させるノウハウはDONALD FAGENとAirplayを研究すれば
かなり手に入るんじゃないでしょうか。ギタリストってつい
自己主張しがちで思わず歌を邪魔するようなフレーズを
弾いちゃったり、音数が多すぎてキーボードはコードを
押さえているだけ、とかアマチュアバンドではありがち
ですけれど、彼らのアルバムには一切そういうフレーズ
はありません。キーボードもギターもストリングスも
管楽器も一体となって一つのハーモニー、グルーブを
表現しています。このアレンジ技術には本当に影響を
受けました。フレーズの真似はしていませんが、僕の
リリースした音楽には彼らからの影響がにじみ出ていると
思います。

今週は「パーフェクト・アレンジ」という事でお送りしましたが
良いメロディーも普遍的なもので大切ですがメロディーを
より光らせるアレンジというものも意識して音楽を聞いて
いただけると、より音楽の味わいが深くなると思いますよ!
番組へのお便り、僕やSingへのご感想・ご質問どんどん待って
いますので、「SHIBUYA-FM GOOD WAVE係」まで、
メール下さい!
お待ちしております!!



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