2004/07/03 SHIBUYA-FM 78.4Mhz「GOOD WAVE」7回目

 

そろそろ夏がやってきましたね!!暑い季節にはやはり熱い音楽を
聞かなければならない、ということで今回はハードロック特集でいきたい
と思いますが、一般的にハードロックといってもその中でも色んな
ジャンルがありますから今回は「プロデュース的感覚に溢れた
ハードロック」という事でオンエアしたいと思います。

2004/07/03 On Air
COMRADE SELECTION  テーマ「HardRock」

1・Poundcake(Van Halen)
2・Judgement Day(Van Halen)
3・Heaven Is(Def Leppard)
4・Have You Ever Needed Someone So Bad(Def Leppard)

ヴァン・ヘイレン!!ギターの神様エディー・ヴァン・ヘイレン率いる
ロックバンドですが、初期の頃のヴァン・ヘイレンはエディーのハイテク
ギターに焦点が集まっていて、毎回アルバムをリリースするたびに
新しいギター奏法が入っていて・・・というギター雑誌にとってはネタの
宝庫のアルバムをリリースしている印象が強いですが、それはあくまでも
メディア的広告宣伝的にはギター・テクニックという要素も売りにしていた
と思うのですが、実際問題としてはエディーのギターはバッキングにこそ
真の意味を持っていますし、コーラス等のバンド・アンサンブルやライブ
パフォーマンス等、目に見えない部分のかっこ良さがあるバンドです。

今回紹介する「For Unlawful Carnal Knowledge」というアルバムでは、
単にハイテクギターバンド、という風に片付けることが出来ない程
ギターの巧さというものよりも楽曲の良さ、アンサンブルのかっこ良さ
というものが強調されていて、ヴァン・ヘイレンがアメリカン・ロックの
砦を守っている、という印象を受けます。

デビュー作「VAN HALEN」 や「VAN HALENU」と聞き比べると
まず違いがはっきりと解るのが、その音質にあります。
「Poundcake」のドラムサウンドの重厚感はバンドの成熟度を如実に
表しています。ギター・サウンドもリバーブやディレイなどをうまく
使ってバッキング・ギターが楽曲の整合性を整えられるように
音響的にも心地良く配置されています。プロデューサーの
Ted Templemanの手腕もあると思いますが、ツアーを重ねる事に
よってバンド自体が成熟していったのだと僕は思います。

エディーがソロだけではなく、バッキングも巧いということはギター
フリークには良く知られている事実ですが、あえてソロの良さを
挙げるとすると、エディーのソロはとにかくグルーブしているんです
よねー。リズムにのってカッコ良いフレーズを連発する、当たり前
のように聞こえるでしょうが、エディーのレベルでリズムに乗れる
というのはとても難しい事です。チョーキング絡みのフレーズとか
よくもここまでシンプルなペンタトニックスケールをカッコよく聞か
せられるものだなぁと感激します。タッピング奏法に関しても
Judgement Dayのソロのようにあらかじめ用意されているものも
カッコいいですが、個人的にはアドリブフレーズの中にさらっと
入っているタッピングが好きです。ロックギターはカッコよくなきゃ
意味がない、というのを思い知らされますねー。

デフ・レパードに関しては、どうやったらここまで凝った音作れるの?
って質問したい位凝った音ですよね。常に(笑)。
Heaven IsとHave You Ever Needed Someone So Badが収録されて
いる 「ADRENALIZE」 というアルバムはデフレパードお得意の(?)
「年単位のスタジオワーク」 によって作られています。
HYSTERIAをリリースしたのが1987年でADRENALIZEのリリースは
1992年ですから、何年かけて作ってるんだよ!ってことになります
よね?まぁ、ずーっとスタジオに籠もりきりだった訳ではないでしょう
けれど、これほど凝ったスタジオワークというのは日本の音楽事情
ではなかなか出来ない事だなぁ、と思います。僕の中では
「デフレパード=Robert John "Mutt" Lange」という図式ができあ
がってしまっていまして、 「ADRENALIZE」のプロデュースは
マッドラングはクレジットされていないようなんですが、僕には
マッドラングの音にしか聞こえないんですよ。それ位このマッド
ラングという人は独自の音楽世界を持ったプロデューサーだなと
思うんですよね。

話は変わるんですが、皆さんThe Corrsというポップ・グループを
知っていますか?デビット・フォスターのプロデュースで
「遥かなる想い」というアルバムでデビューしたアーティストですが、
このアルバムを聞いたときに僕は心の底から良い曲だと
思いましたし、プロデューサーがデビット・フォスターだと知って、
「あぁ、フォスターらしいな」と思った記憶がありますが、3枚目の
「イン・ブルー」を聞いたときに僕は椅子から転げ落ちそうになり
ました。だってデフレパードの音にしか聞こえないから!!
思わずProduced by〜のクレジットを探しましたが、そこには
しっかりと「Produced by Robert John "Mutt" Lange」の
刻印がされていた(笑)いや、決して馬鹿にしているわけじゃ
ないんですよ。そのアーティストの音楽性さえも決定する要素を
プロデューサーは持っているんだなというのを再認識したというか、
結果的にコアーズはこの「イン・ブルー」というアルバムはかなり
売れたと思いますしね。デビット・フォスターもそうですが、
名のあるプロデューサーというのは自分の音楽世界というもの
を確立しているのだな、と思いましたね。

COMRADE SELECTION第7回目をお送りしましたが、
ハードロックであってもこういうプロデュース的見地からの音楽の
聞き方もなかなか面白いですよね?勿論、最終的にカッコよさを
表現するのはアーティストなんですけど、裏方としてのプロデュー
サーの音楽性というものも音楽には重要な要素だと思いました。
番組へのお便り、僕やSingへのご感想・ご質問どんどん待って
いますので、「SHIBUYA-FM GOOD WAVE係」まで、
メール下さい!
お待ちしております!!



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