2004/06/05 SHIBUYA-FM 78.4Mhz「GOOD WAVE」3回目

 

毎日梅雨で大変ですね〜、夏が待ち遠しい!っていうことで
今週のGOOD WAVEは爽やかな曲が中心の選曲になりました。

2004/06/05 On Air
COMRADE SELECTION  テーマ「整合性のあるポップス」

1・Africa(TOTO)
2・Rosanna(TOTO)
3・Shape Of My Heart(Sting)
4・Seven Days(Sting)

整合性のあるポップスというのは僕にとっては大事な音楽で、
最初にプロデュースに興味を持ち出したきっかけはStingやAirplay等の
完璧にアレンジされていて、一つ一つの音に意味があるように配置された
音作りであったりミックスであったり、特にAifplayのジェイ・グレイドンあたり
は「マスタリングの重要性」という事も僕に教えてくれました。
別にジャンルとしてAORだけに限ったことではなく、音楽性として整合性
を重視して音作りをしていくアーティストに僕は惹かれます。

まずは、その代表選手でもあるTOTOですがそれもそのはず、TOTOの
メンバーは元スタジオ・ミュージシャンによって構成されているバンドで
そのアレンジ力といったらかなりのものです。当然、そのアレンジを再現
するための演奏力というものがそこには表裏一体で存在するのですが。

ドラマーのジェフ・ポーカロはロック・ドラマーの範疇を超えた独自のビートを
刻むことで個性を出しています。Africaのビートを聞いているだけで、
なんとなく大陸的な気持ちにさせられます。また、Rosanna等に代表される
シャッフルビートの心地よさはこれはポーカロでなければ表現できない音
だと思います。

ギターのスティーブ・ルカサーは「この世で最も多くのギターソロを弾いてきた」
ギタリストの1人ではないでしょうか。あらゆるアーティストのCDの演奏クレジ
ットにGuitar by Steve Lukatherという刻印が刻まれています。
スタジオミュージシャン必須のカッティングも勿論優れているのですが、
僕はルカサーは8小節や4小節位の短い間奏を弾く事に関してとても能力が
高いと思います。ルカサーのソロはばっちりその間奏空間にドラマを演出します。
フレージングに起承転結がきっちりとつけられていて、とてもメロディアスなのです。
Rosannaのソロはかなりアグレッシブに弾かれていますが、静かに弾いている
ルカサーもとても良いと思います。当然、そういった素晴らしい演奏家によって
演奏されるTOTOの楽曲にはとても心地いいグルーブがあります。

次にStingですが、僕はStingの独自のメロディーセンスがとても好きです。
なんとも哀愁があるというか・・・これはスティングがベースを弾いているという
事も関連があると思うのですが、分数コードの使い方がStingはとても上手いです。
また、ベースのフレージングが音数を沢山使うのではなく、ベースを弾きながら
歌うという事も関連があるのかもしれませんが、休符を上手く使った空間のある
ベース・フレージングがとても特徴的です。

また、変拍子やジャズ等のイディオムを取り入れることもStingは平然とやって
のけてしまいます。しかも、Stingの本当に凄いところはその難しい演奏アイディア
が「取ってつけたようなもの」ではなく、純粋にポップ・ソングとして成立している
というところなのです。Seven Daysの5拍子は自然に我々の耳にサウンドします。
決してわざと5拍子にしようとして書いた作為的な物を感じさせません。
後ろで叩いている、ヴィニー・カリウタのテクニカルなドラムもStingの存在感に
よって落ち着いて聞こえます。 Shape Of My Heartのギター・アルペジオは
多くのアーティストに影響を与えています。実際に僕がアコギのレッスンの
時などにちょっとこのフレーズを弾くと、どの生徒も反応して聞いてくれます。
それ位良いフレーズだっていうことですよね。

COMRADE SELECTION第3回目をお送りしましたが、オンエアの中で伝え
たりない所をこのレポートで補っていければ良いと思っております。
また、渋谷地区でない方はこのレポートをご覧になって土曜の午後に
渋谷にお立ち寄りの際には是非聞いてください!
番組へのお便り、僕やSingへのご感想・ご質問どんどん待っていますので、
「SHIBUYA-FM GOOD WAVE係」まで、メール下さい! お待ちしております!!



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